朝日日本歴史人物事典 「国分勘兵衛(4代)」の解説
国分勘兵衛(4代)
生年:生年不詳
江戸中期の商人。屋号は大国屋。伊勢国射和(松阪市)の旧家に生まれ,同郷の江戸呉服問屋富山家に奉公,享保1(1716)年に独立して江戸日本橋に店を開いた。武家相手の呉服商売を営むが,享保期に常陸国(茨城県)土浦に出店を設け,享保10年ごろには醤油醸造を開始,江戸店を通じて,江戸醤油問屋への売り込みをはかった。その後,醤油醸造規模は拡大し,土浦店(商標・亀甲大)は江戸後期における有力醸造家の一角を占めている。また,江戸店も有力な醤油・明樽(空樽)問屋として発展した。江戸時代に輩出する伊勢商人の代表例のひとつであろう。<参考文献>林玲子「江戸醤油問屋の成立過程―大国屋勘兵衛商店を中心に」(『流通経済大学創立二十周年記念論文集』)
(谷本雅之)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報