奥田木白(読み)おくだ・もくはく

朝日日本歴史人物事典 「奥田木白」の解説

奥田木白

没年:明治4(1871)
生年:寛政12(1800)
幕末赤膚焼陶工。幼名は亀松。長じて佐兵衛,31歳より武兵衛を名乗る。茶,俳諧をよくした風流人で,郡山藩御用も勤める荒物屋を営み,その屋号柏屋にちなんだ木白の号をはじめ,木々斎,五行庵などの号を用いた。天保6(1835)年より楽焼を始め,同11年から赤膚焼伊之助窯で本焼を始める。京焼,瀬戸焼,萩焼などの各地の焼物を研究し,写し物に特に優れ,その多彩な陶技で赤膚焼の興隆に大きく貢献した。『楽焼口伝之控帳』『家伝覚書』『浮世のゆめ』などの著作がある。

(伊藤嘉章)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「奥田木白」の解説

奥田木白 おくだ-もくはく

1799-1870 江戸時代後期の陶工。
寛政11年生まれ。大和(奈良県)郡山の炭問屋。赤膚(あかはだ)焼の名匠として知られ,野々村仁清(にんせい)風色絵物・高取風・萩風の陶器を製作した。奈良人形,香合,蓋物(ふたもの)にも名品をのこした。銘は「赤ハタ」あるいは「赤膚山」の下に「木白」の印をおした。明治3年2月13日死去。72歳。通称は柏屋武兵衛。

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