清見潟(読み)キヨミガタ

デジタル大辞泉 「清見潟」の意味・読み・例文・類語

きよみ‐がた【清見潟】

静岡市東部、旧清水市の興津おきつから袖師にかけての海岸清水港を隔てて三保みほの松原に対する。[歌枕
「―波ぢの霧は晴れにけり夕日にのこるみほのうら松」〈玉葉・秋下〉

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精選版 日本国語大辞典 「清見潟」の意味・読み・例文・類語

きよみ‐がた【清見潟】

静岡市清水区興津清見(せいけん)寺の付近の海岸。かつては景勝地として知られた。美保の浦。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「清見潟」の意味・わかりやすい解説

清見潟
きよみがた

静岡市の興津(おきつ)から袖師(そでし)にかけての海岸。庵原(いはら)山地が清水港に迫る山麓(さんろく)に清見寺(せいけんじ)があり、国指定名勝の庭園をもつが、その眼下の内湾と対岸三保(みほ)の半島は優れた景観で、『万葉集』以降多くの詩歌に歌われ、万葉には「廬原(いほはら)の清見の崎の三保の浦のゆたけき見つつ物思ひもなし」と詠まれている。明治末期からは海岸保養地として別荘も建てられ、西園寺公望(さいおんじきんもち)の坐漁荘(ざぎょそう)は有名であった。清水港の拡張と整備、沿岸の埋立てにより往時おもかげは失われ、興津埠頭(ふとう)はコンテナ基地となり人工海岸となった。

[北川光雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清見潟」の意味・わかりやすい解説

清見潟
きよみがた

静岡県中部,静岡市清水の興津,清見寺門前の海岸。前面には三保半島が清水港をいだいて突出し,北東には富士山,南東には駿河湾をへだてて伊豆の天城連山を望み,古くから東海道の景勝地として有名。気候温暖で西園寺公望の別邸坐漁荘はこの海岸にあった。第2次世界大戦後,清水港の拡充整備に伴い海岸の埋立てが進められ,臨海工業地に変わっている。

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