(読み)たたる

精選版 日本国語大辞典 「祟」の意味・読み・例文・類語

たた・る【祟】

〘自ラ五(四)〙
神仏怨霊(おんりょう)、もののけなどがわざわいをする。罰(ばち)があたる。
書紀(720)朱鳥元年六月(北野本訓)「戊寅天皇の病を卜ふ、草薙の剣に祟(タタレ)り」
② 何かの結果としてよくない事が起こる。悪いむくいがある。害をなす。
日葡辞書(1603‐04)「コレワ フクチュウニ tataru(タタル)
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一「是も親譲り無鉄砲が祟ったのである」
③ 報復する意の盗人仲間の隠語。〔日本隠語集(1892)〕
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉三「大尉を殺した奴らに対してタタリ(報復し)たいと思っていたが」

たたり【祟】

〘名〙 (動詞「たたる(祟)」の連用形名詞化)
① 神仏や怨霊(おんりょう)によってこうむるわざわい。
霊異記(810‐824)中「漢神の祟(タタリニ)依り牛を殺して祭り〈国会図書館本訓釈 祟 タタリニ〉」
※日葡辞書(1603‐04)「テングノ tatarigia(タタリヂャ)
行為のむくいとして受ける災難
甲陽軍鑑(17C初)品四七「親の敵討なれば、公儀より祟(タタリ)もましまさず」

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百科事典マイペディア 「祟」の意味・わかりやすい解説

祟【たたり】

祟の古義神意の現れとされるが,記紀用例からして奈良時代には神の咎(とが)め・神のわざわいの意となったらしい。のち神仏やその神使(つかわしめ),霊地,神木などに対する禁忌を破った行為によって,人が受ける罰やわざわいを意味する。→御霊(ごりょう)信仰

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