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御霊信仰 ごりょうしんこう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

御霊信仰
ごりょうしんこう

死者の霊がたたることを恐れるところから生じた人の霊に対する信仰。死霊に対する宗教観念は,採集文化の段階からすでに広く分布している。日本でも特に災難によって死んだ者,現世に恨みをいだきながら死んだ者などに対しては,そのたたりを恐れて特別な葬法や供養法を用いる風習がすでに古墳時代から行われていた。

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百科事典マイペディアの解説

御霊信仰【ごりょうしんこう】

怨霊(おんりょう)信仰とも。無実の罪,疫病などで非業(ひごう)の死を遂げた者の霊が祟(たた)ると考えた信仰。奈良末期〜平安初期に盛んとなり,863年(貞観5年)神泉苑において怨霊をしずめるための御霊会(ごりょうえ)が宮中行事として初めて行われ,上下の御霊神社が設立された。
→関連項目祇園信仰祭日天神神輿厄病神八坂神社雷神

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世界大百科事典 第2版の解説

ごりょうしんこう【御霊信仰】

〈御霊〉は〈みたま〉で霊魂を畏敬した表現であるが,とくにそれが信仰の対象となったのは,個人や社会にたたり,災禍をもたらす死者(亡者)の霊魂(怨霊)の働きを鎮め慰めることによって,その威力をかりてたたり,災禍を避けようとしたのに発している。この信仰は,奈良時代の末から平安時代の初期にかけてひろまり,以後,さまざまな形をとりながら現代にいたるまで祖霊への信仰と並んで日本人の信仰体系の基本をなしてきた。 奈良時代の末から平安時代の初期にかけては,あいつぐ政変の中で非運にして生命を失う皇族・豪族が続出したが,人々は(天変地異)や疫病流行などをその怨霊によるものと考え,彼らを〈御霊神(ごりようじん)〉としてまつりだした。

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大辞林 第三版の解説

ごりょうしんこう【御霊信仰】

御霊の祟りを恐れ、これを鎮めて平穏を回復し、繁栄をもたらそうとする信仰。平安時代初期以降御霊会が盛んに催される一方で、菅原道真の霊など霊威をふるう悪鬼的存在は神社の祭神として祀まつられ恒常的な祭祀の対象となった。御霊信仰は祇園信仰や天神信仰へと発展した。なお、江戸時代の御霊としては佐倉惣五郎が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

御霊信仰
ごりょうしんこう

不幸な死に方をした人の霊が、祟(たた)り、災いをもたらすという信仰。またそれをなだめ、抑える神を祀(まつ)る信仰。霊魂信仰では、霊魂がもっとも尊く不滅の存在であるとし、その一部が人体に宿って安定している間、その人は生きていると考えた。霊肉そろった状態が生であり、死後は子孫の祀りを受けてしだいに霊肉が分離し、肉体は朽ちて霊魂は再生するという考え方である。ところが事故死、戦死、自殺など非業(ひごう)の死を遂げた人の場合、霊肉のうち肉体だけが突然損なわれるわけで、霊魂は安定する場所を失って浮遊霊となる。その浮遊霊が他人の肉体に入ろうと、ねらっているのではないかと恐れたり、稲の害虫になって凶作の原因になるとして鎮送の呪術(じゅじゅつ)行事を行ったりする。その浮遊霊のことを、平安時代には物の怪(もののけ)、中世にかけては怨霊(おんりょう)、御霊(ごりょう)、近世には無縁仏(むえんぼとけ)とか幽霊とかいう。奈良時代末から平安時代末にかけて、天変地異や疫病流行があったのを怨霊の祟りとし、863年(貞観5)には神泉苑(しんせんえん)で御霊会(え)が行われ、祇園(ぎおん)、北野(きたの)、天神(てんじん)、紫野(むらさきの)、今宮(いまみや)などの御霊神社も次々に造営された。これら神社の祭礼は夏祭がおもで、山車(だし)、屋台などを繰り出し、風流(ふりゅう)といって仮装して練り歩くなど、華々しい形をとるものが多い。農村行事にも虫送り、道切り縄など御霊信仰に関連するものが多く、近代初期までの民俗行事に影響を与えた。[井之口章次]

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世界大百科事典内の御霊信仰の言及

【雷】より

…雷が小童の形で出現することは《日本霊異記》《今昔物語集》の前記の話に見られるが,道場法師が力くらべをした際には深さ3寸の足跡が残ったといわれ,巨人伝説との関連が考えられ,別雷神(わけいかずちのかみ)の伝承や《常陸国風土記》の晡時臥山の伝説などと関連して,この世に降臨した神が異常に成長をとげる話に発展していく経路を示している。平安朝にはいって急速に広まった御霊(ごりよう)信仰によって雷神信仰は天神信仰に統一され,北野天神の眷族(けんぞく)神として低い位置にとどまるようになった。同時に御霊信仰は,人間にとって恐るべき神の存在を強く押し出したものであるため,これによって雷の性格が決定されることになった。…

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