αグルコシダーゼ阻害剤(読み)アルファグルコシダーゼソガイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「αグルコシダーゼ阻害剤」の解説

αグルコシダーゼ阻害剤

製品名
《アカルボース製剤》
アカルボース沢井製薬、第一三共、第一三共エスファ、辰巳化学、日医工、日新製薬、日本ジェネリック、ビオメディクス、ファイザー、陽進堂)
アカルボースOD(武田テバファーマ、武田薬品工業、マイラン製薬)
グルコバイ(バイエル薬品)
グルコバイOD(バイエル薬品)
《ボグリボース製剤》
ベイスン(武田薬品工業、武田テバ薬品)
ベイスンOD(武田薬品工業、武田テバ薬品)
ボグリボース(エルメッド、大原薬品工業、科研製薬、共創未来ファーマ、杏林製薬、キョーリンリメディオ、小林化工、沢井製薬、サンド、第一三共エスファ、第一三共、武田テバファーマ、武田薬品工業、高田製薬、辰巳化学、長生堂製薬、東和薬品、日医工、日新製薬、日本ケミファ、日本ジェネリック、日本薬品工業、ニプロ、ファイザー、マイラン製薬、メディサ新薬、陽進堂)
ボグリボースOD(救急薬品工業、杏林製薬、キョーリンリメディオ、小林化工、沢井製薬、サンド、シオノケミカル、高田製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、東和薬品、日医工、日本ケミファ、ファイザー、マイラン製薬、メディサ新薬、持田製薬)
《ミグリトール製剤》
セイブル(三和化学研究所)
セイブルOD(三和化学研究所)
ミグリトール(東和薬品)
ミグリトールOD(沢井製薬、東和薬品)

 糖質消化・吸収を遅らせる作用があり、食事療法・運動療法を行っていても十分な効果が得られない場合(食事・運動療法に加えて、血糖降下剤もしくはインスリン製剤を使用していても十分な効果が得られない場合)の食後の過血糖を改善する薬です。


 とくにアカルボース製剤は、長期間安定した血糖をコントロールでき、インスリン感受性を高めます。


 ミグリトール製剤は、とくに食後早期(食後1時間まで)の急峻な血糖上昇をなだらかにすることにより、食後の高血糖を改善します。ただし、スルホニル尿素系血糖降下剤ビグアナイド系血糖降下剤もしくはインスリン製剤を使用している人で、十分な効果が得られない場合に限って使用します。


 ボグリボーズ製剤は、耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制にも用います(ただし、食事療法・運動療法を行っていても十分な効果が得られない場合に限ります)。


①もっとも注意しなければならないのは低血糖(脱力感、冷や汗、ふるえ、空腹感、めまい動悸どうきなど)です。このような症状があるときは、必ず医師の診察を受けてください。


 食事の30分前では、食事をとる前に低血糖をおこすおそれがあるため、食直前10分以内に服用するようにします。


発疹ほっしんなどの過敏症状が現れることがあります。また、劇症肝炎、腸閉塞、重い肝障害、黄疸おうだんボグリボーズ製剤では、重い肝硬変例での意識障害を伴う高アンモニア血症などが現れることがあります。こうした症状が現れたときは服用を止め、ただちに医師に報告してください。


③薬によっては、下痢放屁ほうひの増加、腹部膨満感、便秘、食欲不振、白血球減少、血小板減少、胸部圧迫、味覚異常、頻尿、ほてり、吐き気嘔吐おうと、頭痛、めまい、しびれ、むくみ、倦怠感けんたいかん貧血、肝・じん機能障害、口の渇き、口内炎、排便障害おくび痔核などが現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。


錠剤で、食事の直前に服用するのが原則です。ただし、1日の服用回数、1回の服用量などは、医師・薬剤師の指示を守ってください。


②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。


 過去にこの薬で過敏症をおこしたことのある人、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡こんすい・前昏睡、重症感染症、手術前後、重い外傷のある人は使用できません。


 とくにほかの糖尿病治療剤を使用中の人、過去に開腹手術を受けた人または腸閉塞になったことのある人、消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患のある人、ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍などのある人、重い肝・腎障害のある人などは医師に相談してから用いてください。


③妊婦、現在妊娠している可能性のある人は、アカルボース製剤ミグリトール製剤では使用できません。あらかじめその旨を医師に報告してください。


④低血糖をおこすことがあるので、自動車運転や高所作業にたずさわる人は医師に相談してください。


⑤現在ほかの薬を使っていたり、この薬を使用中にほかの薬を使用する必要が生じたときは、必ず医師に相談してください。


 とくに糖尿病用薬であるスルホニル尿素系血糖降下剤ビグアナイド系血糖降下剤、インスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤速効型インスリン分泌促進剤などと併用すると、薬によっては血糖降下剤の効果が過剰になって、低血糖がおこりやすくなります。


 サリチル酸系解熱鎮痛剤βブロッカー製剤と併用すると血糖降下剤の作用が強まったり、副腎皮質ホルモン剤甲状腺ホルモン剤などと併用すると血糖降下剤の作用が弱まったりすることがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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