身体の外側から被曝すること。
放射性物質からの放射線に曝露することを「放射線被曝」といい、身体の外からの被曝を「外部被曝」、身体の中に入った放射性物質からの被曝を「内部被曝」という。
身体の外からの被曝としては、宇宙や太陽から、また、空気中に存在するラドンやトロンから、さらに、大地(土壌・岩石)などからの放射線など、もともと自然界に存在する放射線(自然放射線)によるものがあり、日本における平均の年間線量は約2.1ミリシーベルト(mSv)である。空気中のγ(ガンマ)線量を測定する空間線量率をみると、東京で0.037マイクロシーベルト(μSv)/時、福島市で0.11マイクロシーベルト/時、ソウルで0.117マイクロシーベルト/時、パリで0.043マイクロシーベルト/時、ロンドンで0.108マイクロシーベルト/時と、その地域ごとの大地(環境)の違いを反映している。また、人の活動に伴う放射線としては、住宅の建材などによるものもあるが、一般に被曝量がもっとも多いのは医療におけるX線撮影(1回の胸部X線撮影で約0.06ミリシーベルト)やCT検査(1回約2.4~12.9ミリシーベルト)があげられる。また、飛行機で東京とニューヨークを往復した場合には、宇宙線により約0.11~0.16ミリシーベルトの被曝をする。
外部被曝を少なくするためには、以下の3原則がある。すなわち、(1)放射性物質から離れる、(2)放射性物質との間に遮蔽(しゃへい)物を置く、(3)放射性物質に被曝する時間を短くする、ということがたいせつである。
[安村誠司 2020年2月17日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… また,身体的障害出現の様相は,被曝した線量の大きさに左右されるばかりでなく,どのような状態で,どのような放射線による被曝を受けたかということによって,大きく変化する。そのような観点から,放射線の発生源(線源)が外部にある場合の被曝形式を外部被曝(体外被曝)と呼び,身体内に取り込まれた放射性物質によって,身体内部から被曝するような形式を内部被曝(体内被曝)と呼んで,その障害を分けて考えるほうが理解しやすい。外部被曝については,透過性の強いX線,γ線,中性子線が問題となり,α線やβ線のような透過力の弱い放射線は,皮膚障害以外は,重要な問題とならない。…
※「外部被曝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新