《墨子》(読み)ぼくし

世界大百科事典(旧版)内の《墨子》の言及

【道教】より

…その第1点は,中国の思想史とくに古代,中世の思想史において,一般的に〈道教〉という言葉が実際にどのような思想概念として用いられてきているか,また,それは中国土着の民族宗教としての〈道教〉の概念とどのようなかかわりを持っているかであり,第2点は,中国において民族宗教としての道教が,その神学教理もしくは思想哲学を一応整備完成するにいたる唐・五代・宋初の時期において,道教の教団内部の学者たちがその教をどのような宗教として自覚し,規定し,ないしは神学教理の整備体系化を行っているかである。
[〈道教〉の語の用例]
 中国の思想史において,〈道教〉という言葉(概念)が最も古く用いられているのは,前4世紀ころにその成立が推定される《墨子》の〈非儒篇〉およびこれより少しおくれて前3世紀ころにその成立が推定される〈耕柱篇〉においてである。〈非儒篇〉では〈儒者〉すなわち当時の孔子学派の学者たちが,みずからの教を〈道教〉とよんでいるのは正しくないと批判し,〈耕柱篇〉では墨子の教説こそ真正の〈先王の道教〉であることを強調している。…

【墨家】より

…それ以前は墨者(ぼくしや)と呼ばれた。開祖は戦国初期の宋の工匠,墨翟(ぼくてき)(墨子,前5世紀後半~前4世紀前半)。墨翟の後を継ぐ指導者を鉅子(きよし)(巨子)という。…

【論理学】より

…ディグナーガより1世紀ばかり後に,その孫弟子であるダルマキールティや非仏教的学派に属するウッディヨータカラが現れ,ディグナーガの論理学をさらに完璧なものにし,ここでインド論理学は完成する。
[中国]
 中国人の手になる最初の論理学書は《墨子》のうちの六つの章〈経上〉〈経下〉〈経説上〉〈経説下〉〈大取〉〈小取〉である。《墨子》は前5世紀に,墨子およびその集団によって書かれたものであり,全部で71章からなるが,そのうちの6章が論理学を扱った部分である。…

※「《墨子》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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