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 じん ren

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


じん
ren

儒教が主張した愛情の一形態。愛とは,他人を大切に思い,いつくしむ感情をさす語である。それとは別に仁という語が成立しているからには,仁と愛とは同義ではない。語源については,一般には,仁とは,人間の姿を示す象形文字であるが,(太古においては,他部族の者は人ではないから) 自分の身近にいる親しい間柄の「仲間」,または,二人の人と人との間の愛情の意味,といわれる。

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じん
nucleolus

細胞の核の中に,染色糸とは別に1~数個ある粒状体。小核ともいい,また核小体の語が比較的多く用いられるようになってきた。リボ核酸と蛋白質を含み,ことに塩基性蛋白質と各種酵素が多い。仁を真正仁,染色仁,両性仁に分けるが,染色仁は染色体が異常凝縮したもの,両性仁は真正仁と染色体の一部が接着したものであるから,狭義には仁は真正仁をさす。

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デジタル大辞泉の解説

じん【仁】

思いやり。いつくしみ。なさけ。特に、儒教における最高徳目で、他人と親しみ、思いやりの心をもって共生(きょうせい)を実現しようとする実践倫理。「智・・勇」
「―ある君も用なき臣は養ふ事あたはず」〈浄・国性爺
ひと。→御仁(ごじん)
「若いに似合わぬ物の分った―だ」〈有島或る女
果実の核。さね。たね。にん。
細胞の内にある1個から数個の粒状構造。主にRNAたんぱく質とからなる。核小体。

じん【仁】[漢字項目]

[音]ジン(漢) (慣) ニン(呉)
学習漢字]6年
〈ジン〉
他者への思いやり。情け。「仁愛仁義仁君仁慈仁術仁道仁徳寛仁不仁
人。また、人を敬っていう語。「仁兄御仁
〈ニン〉
思いやり。「仁徳
果実のさね。「杏仁(きょうにん・あんにん)桃仁
[名のり]きみ・きむ・さと・さね・しのぶ・ただし・と・とよ・のり・ひさし・ひと・ひとし・ひろし・まさ・まさし・み・めぐみ・めぐむ・やすし・よし
[難読]親仁(おやじ)仁王(におう)

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百科事典マイペディアの解説

仁【じん】

核小体

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栄養・生化学辞典の解説

 (1) 果実の核の中にある部分.(2) →核小体

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世界大百科事典 第2版の解説

じん【仁 rén】

中国古代思想,とくに儒家思想の最も重要な倫理・政治上の概念。金文では,古文ではと書き,これらの字形の象徴の解釈をめぐり,背に荷物を背負った身体障害者の形象であり,重任にたえる意,忍耐の意に転じたとする説,あるいは〈〉は数の二とせず,点を重ねたもので,人の座する衽席(じんせき)(しきもの)の象(かたち)を示すものとし,衽席の安舒(あんじよ)の状態から和親の意に転じたとする説などがあり,字源解釈は一定しないが,ふつうは人が二人ならぶ象と解し,人と人とが親しみあっているようすとする。

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大辞林 第三版の解説

じん【仁】

己に克ち、他に対するいたわりのある心。儒教における五常の一。
愛情を他におよぼすこと。いつくしみ。おもいやり。 「 -の心が厚い」
〔仁の道を行う人の意から〕 ひと。かた。 「どこの-かは存ぜぬ」 「見上げた御-だ」
種子から種皮を取り去った内部。胚と胚乳から成る。にん。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


じん

中国倫理思想の重要概念。もっとも素朴な用法は、『詩経』叔于田(しゅくうでん)に、男を褒めて「まことに美且(か)つ仁」という表現である。「愛情深い」「親切な」などの意であろう。孔子は仁をもって最高の道徳、日常生活に遠いものではないが、容易に到達できぬものと考えた。孔子は弟子の問いに対して仁をさまざまに定義する。若い(はんち)に対しては「人を愛すること」といい、もっとも優秀な顔回(がんかい)に対しては「己れに克(か)ち(己れを克(よ)くし)礼に復(かえ)る」という(ともに『論語』顔淵(がんえん)(へん))。前者は外に対しての行為、後者は自己の内なる修養をさす。具体的な心構えとしては、仲弓(ちゅうきゅう)の問いに答えて「己れの欲せざるところ、これを人に施すなかれ」(顔淵篇)というのがもっともわかりやすい。つまり思いやりの心で万人を愛するとともに、利己的欲望を抑え礼儀を履行すること。ただし万人を愛するといっても、出発点は肉親への愛にある。「孝弟(悌)(こうてい)なる者はそれ仁の本(もと)たるか」(学而(がくじ)篇)。孟子(もうし)は、仁の徳の源は人間性に内在する惻隠(そくいん)の心(赤ん坊が井戸に陥りかけているのを反射的に抱きとめる心)にあると説く。孟子は、人間性に根ざす主要徳目として仁義礼智(ち)の四つを数える。漢の董仲舒(とうちゅうじょ)などは、これに信を加えて五つとする(五常(ごじょう))。これには五行説の影響もあろう。『漢書(かんじょ)』律歴志(りつれきし)によれば、仁=春(木)、義=秋(金)、礼=夏(火)、智=冬(水)、信=中央(土)。春の草木を生育させる暖かさと、仁すなわち愛の徳との連想による。[本田 濟]

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世界大百科事典内のの言及

【愛】より

…なお,〈慈悲〉の原語は,上記の2語のどちらか一つ,双方,別の語と,一定していない。 中国の〈〉には,多くの訓詁があるが,〈人間(男)であること・人間(男)らしさ〉が本義で,早い時期に,〈任(重い任務)〉〈人と人の間でもつべき態度・他者へのいたわり〉などの語感が,複合したものであろう。家父長的な義務感を出発点とし,〈天〉の〈命〉によるという使命感に支えられ,弱者への〈惻隠の心〉とともに,一人前の人間としての責任をまっとうしうる〈能力〉をもつことが,重視された。…

【義】より

…ことがらの妥当性をいう。儒教では五常(仁義礼智信)のひとつとして重視され,しばしば〈仁義〉〈礼義〉と熟して使われるが,対他的,社会的行為がある一定の準則にかなっていることをいう。《礼記(らいき)》礼運篇では人の義として,父の慈,子の孝,兄の良,弟の弟(てい)(目上の者に対する従順さ),夫の義,婦の聴(聴き従う),長の恵,幼の順,君の仁,臣の忠の十義を列挙する。…

【儒教】より

…(1)五倫五常 三綱五倫(君臣・父子・夫婦と兄弟・朋友)の身分血縁的関係をあるべき人倫秩序とし,家族組織から政治体制まで貫く具体規定を備える。この人間関係を支える必要な道徳が,五常(仁・義・礼・智・信)であり,その修得のための人間論・意識論がくりかえされた。(2)修己治人 五常を修養し(修己),五倫秩序の実現につとめる(治人)不断の教化が,統治層士人(君子)の任務である。…

【春秋戦国時代】より

…このように戦国末には異なった思想がいくつもみられるが,その源流は春秋末に出た孔子である。西周王朝滅亡後,春秋時代を通じて,天を中心とする宗教意識が衰え,代わって人間が生得にもつ徳=仁(人間相互の親愛観念であり,その根本は親や上長に対する孝悌であるとされた)を完成するために修養が大切であると説いたのが孔子である。彼は個人で多くの弟子を教育した最初の人物であり,その流れをくむ思想家を儒家とよぶ。…

【善】より

…【吉沢 伝三郎】
[中国]
 儒教では具体的な徳目が論ぜられることが多く,善の定義(孟子の〈欲す可きを善という〉などは恰好の定義であったと思える)をめぐって議論が展開することはなかった。〈善とは何か〉に当たるものはむしろ〈仁とは何か〉であった。しばしば,儒教では礼(外的な規範)に合致することが善である。…

【中国】より

…儒教の政治原理は徳である。徳は聖人の経典や先人の事跡,言語を読書して,の心を涵養し,すなわち正しい習俗を実践するところに養成される。儒教は政治主義であると同時に文化主義である。…

【程顥】より

…この評語は人格と学風の双方にかかわるが,程頤が事物の分析と論理化に鋭いさえをみせたのに対し,程顥は融合的,直覚的であった。その〈万物一体の仁〉の思想は,まさしくこの〈春風和気〉の具現にほかならない。そこでいう〈仁〉とは,天地万物を一体とみなし,すべての存在をわが身の一部と考えることであり,その意味で,手足のしびれを〈不仁〉と医学書が表現するのは,みごとな仁の定義だと程顥は言う。…

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