アイマラ(読み)あいまら(英語表記)Aymara

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイマラ」の意味・わかりやすい解説

アイマラ
あいまら
Aymara

南アメリカのペルー、ボリビア両国に住む先住民集団。人口は100万人を超える。言語はアイマラ語。2本に分かれたアンデス山脈に挟まれた大高原(アルティプラノ)に住み、ティティカカ湖周辺から南はボリビア南西部のウユニ塩原にまで広がる。インカ以前の大文明ティワナク文明の担い手子孫と考えられているが、インカに征服併合された歴史をもつ。現在でもアイマラ語とケチュア語(インカの公用語)の相互浸透が進み、スペイン語も含めて2言語使用者、3言語使用者が増加している。アルティプラノは海抜3000メートルを超える寒く乾燥した地帯で、生業ジャガイモなどの耐寒性の作物耕作が中心であり、ジャガイモの凍結乾燥という優れた貯蔵方法を発明している。ラマ(現地発音リャマ)、アルパカを飼育して毛織物をつくるのも重要である。近年では都市に多く流入しているが、婦人の山高帽が服装の際だった特徴である。宗教のうえではパチャママという大地母神に対する信仰が根強い

[木村秀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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