翻訳|astrakhan
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もとはロシアのアストラハン地方で産するヒツジ(カラクールkarakul種)の胎児、または子ヒツジの毛皮をさすが、織物では、それに似た柔らかい巻き毛の毛羽(けば)で覆われた厚地の毛織物をいう。アストラハン地方の羊毛は、黒く玉状によく縮れ、光沢に富むが、毛皮は非常に高価なため、外観を似せたパイル(輪奈(わな))織にする。地(じ)組織には、梳毛糸(そもうし)、綿糸、スフ糸を使い、パイル糸には光沢のある堅い毛かモヘアを、あらかじめ強く捲縮(けんしゅく)させておいたのち、経(たて)・緯(よこ)いずれかのパイル組織に織り上げる。この輪奈になった部分を切断しないものと、切断して毛羽立てしたものがあるが、いずれも熱処理をして、かさ高く輪状に巻き毛を保つように仕上げる。染色の色調は黒が多い。厚地で保温力があるため、防寒用帽子、婦人オーバー地、外套(がいとう)の襟などに用いられる。
[角山幸洋]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…20世紀初めに南西アフリカで品種改良の行われたカラクールラムは,スワカララム(スワカラは登録商標)と呼ばれ,絹のような光沢と独特のうね模様をもつ,高級毛皮となった。ラムのうち,巻毛のあるものはアストラカン,平らでうね模様のあるものはブロードテールと呼ばれる。品質のよいものはしなやかで光沢があり,縫製しやすいため,ミンクと人気を二分している。…
…(7)乳用系種 羊乳の生産を目的に飼われる品種で,ドイツ原産のオストフリージャン種Ostfriesian(乳量400~500kg),フランス原産のラクーヌ種Lacauneが有名である。(8)毛皮用系種 西アジア原産のカラクール種Karakulの生後まもない子ヒツジの毛皮はアストラカンの名で珍重される。(9)脂肪尾羊系種 アルガリを祖先種とするアジアのヒツジには尾に脂肪を蓄積する肉用種の寒羊,ブラックヘッド・ペルシャン種Blackhead Persianなどがある。…
※「アストラカン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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