アデレード(読み)あでれーど(その他表記)Adelaide

翻訳|Adelaide

デジタル大辞泉 「アデレード」の意味・読み・例文・類語

アデレード(Adelaide)

オーストラリア南東部の港湾都市南オーストラリア州の州都羊毛小麦などを輸出。1836年、ウィリアム=ライト大佐による都市計画に基づいて建設され、格子状の整然とした街並みで知られる。人口、行政区117万(2008)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アデレード」の意味・わかりやすい解説

アデレード
あでれーど
Adelaide

オーストラリア、サウス・オーストラリア州の州都。面積1827平方キロメートル、人口107万2585(2001)で人口は同国第5位の都市。都市圏人口108万3100(1997)。マウント・ロフティ山脈を背後に、セント・ビンセント湾に面したトレンズ川の沖積低地に位置する。地中海式気候で、平均気温は最暖月(1~2月)23.0℃、最寒月(7月)11.1℃、年降水量は531ミリメートル。夏季内陸からの熱波により、高温にみまわれることがある。おもな水源はマウント・ロフティ山脈であるが、さらにその東のマリー川からも送水される。

 市街地は27の地方自治体にまたがり、人口は州の7割強を占め、州都として政治、経済、文化の機能が集中する。自動車をはじめ工業も発達し、その雇用と生産額はともに州の約8割を占める。アデレード大学(1874年創立)、フリンダーズ大学(1966年創立)がある。1960年以来、隔年に国際的な芸術祭が開かれる。国際空港はないが、国内航空路が主要都市と連絡している。都心部にあたる狭義のアデレード市(人口1万7861。2001)には、開基当時の都市計画によって建設された方格状街路緑地に囲まれて残る。都心の北西約20キロメートルに港湾地区ポート・アデレードがあり、同州貿易額の約3分の2を扱う。また都心の北約25キロメートルには、計画的なニュータウンエリザベスがある。1836年入植、1840年同国最初の地方自治都市、1919年市制施行。名称は入植当時のイギリス王妃に由来する。

[谷内 達]

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改訂新版 世界大百科事典 「アデレード」の意味・わかりやすい解説

アデレード
Adelaide

オーストラリア,サウス・オーストラリア州の州都で,同国第5の都市。人口112万9145(2005)。セント・ビンセント湾に面し,背後にマウント・ロフティ山脈をひかえる。平均気温は最暖月(1,2月)23.0℃,最寒月(7月)11.1℃。年降水量は531mm。市街地はアデレード市をはじめ27の地方自治体にまたがって広がる。都心部には開基以来の方格状の街路が緑地を配して残り,都心部の北西にアデレード港,北に計画的なニュータウン,エリザベスがある。州都としての政治経済の中心機能のほか,自動車工業など各種工業も発達している。アデレード大学,フリンダーズ大学がある。1960年以来隔年に国際的な芸術祭が開かれている。国際空港はないが国内航空路で主要都市と連絡。1836年入植地として選定,40年オーストラリア最初の地方自治都市,1919年市制。市名は選定当時のイギリス王妃に由来する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アデレード」の意味・わかりやすい解説

アデレード
Adelaide

オーストラリア,サウスオーストラリア州の州都。同州南東部,マウントロフティ山脈を背にセントビンセント湾にのぞむ。快適な気候 (平均気温最寒月 12℃,最暖月 23℃,年降水量 530mm) に恵まれるが,同国の大都市のなかでは水不足問題が最も生じやすい。他の州都と異なり,流刑植民地としての歴史をまったくもたず,1836年に自由入植地として建設された。南東部の農牧地帯の集散地および同州の政治,経済,文化の中心として発展し,特に第2次世界大戦後は自動車,化学,石油精製はじめ各種工業が発達。州北部のギジアルパ・ガス田からパイプラインが延びている。後背地にマウントロフティ山脈の丘陵地帯に広がる果樹地帯,ブドウで知られるバロッサ地方のほか,マレー川下流域の羊毛・コムギ地帯をもつ。州の人口の 70%以上を占め,鉄道,道路網の結節点であり,国際空港,アデレード港をもつ。当初から都市計画に従って建設され,整った街路と豊かな緑地帯を特徴とする中心部に州議会議事堂,官庁,アデレード大学 (1874) など2つの大学,博物館,植物園などがあり,周辺にエリザベスなどの衛星都市が広がる。 1960年からのアデレード芸術祭も知られている。人口 103万 6700 (1989推計) 。

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百科事典マイペディア 「アデレード」の意味・わかりやすい解説

アデレード

オーストラリア南部,セント・ビンセント湾に面するサウス・オーストラリア州の州都。1836年創設された州最古の町。大規模な都市計画が行われ,トレンズ川によって南北2地区に分かれる。自動車,製粉,織物工業が行われる。大学(1874年創立)がある。南半球最大の総合芸術祭であるアデレード芸術祭の開催地。1991年,北部地区を中心に先端技術産業都市を建設する多機能都市(MFP)構想の事業化がスタートした。2004年に中央部のアリス・スプリングズ経由で北部のダーウィンまで縦貫鉄道が開通。122万5235人(2011)。
→関連項目ギラード

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世界大百科事典(旧版)内のアデレードの言及

【サウス・オーストラリア[州]】より

…面積98万4000km2,人口148万(1996)。州都はアデレード。州の大半が乾燥地域で,年降水量500mm未満の土地が98%を占める。…

※「アデレード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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