アマサギ(英語表記)Bubulcus ibis; cattle egret

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アマサギ」の意味・わかりやすい解説

アマサギ
Bubulcus ibis; cattle egret

ペリカン目サギ科全長 45~56cm。夏羽(→羽衣)は冠羽(→羽冠)と頭部から頸部,背面が橙黄色で,ほかの部分は白い。冬羽は冠羽を欠き,全体が白色は黄色。水田湿原草地などで主食昆虫類のほか,クモやカエル,ミミズなどを採食し,ほかのサギ類に混じって集団で営巣する。インドから東アジアインドネシア分布するが,近年分布を広げ,1940年代にはオーストラリアに侵入し,1960年代にはニューギニア島に定期的に訪れるようになった。1950年代にはアメリカ大陸にも侵入し,その後分布を広げている。アマサギは草食動物についてまわり,歩くときに追い出される虫などを捕まえて食べる。そのため野生の草食動物だけでなく家畜にもついてまわるようになり,その拡大に伴って分布を広げていると考えられる。日本では,夏鳥(→渡り鳥)として本州中部以南に多く見られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「アマサギ」の意味・わかりやすい解説

アマサギ (黄毛鷺)
cattle egret
Bubulcus ibis

コウノトリ目サギ科の鳥。全長約52cm。コサギより少し小型の白色のサギで,夏羽は頭頸部と肩,背,上胸の羽毛がキツネ色となる。一名ショウジョウサギという。アジア南部とアフリカに分布するが,近年分布域を拡大し,ヨーロッパ南部にもすむようになり,またアフリカから海を越えて南アメリカに入り,さらに北アメリカにも現れるようになった。日本には5月ごろ夏鳥として渡来し,本州,四国,九州で繁殖するが,近年やはり数が増え,繁殖地も広がる傾向にある。この種の分布域の拡大は一般に北半球の気温の温暖化に帰せられているが,真の原因はわからない。主食は昆虫類で,熱帯地方ではウシスイギュウといっしょに生活していて,ウシの背中に飛んでくる虫やウシが追い出すバッタなどを餌としている。巣は竹林松林樹上につくり,コサギ,チュウサギゴイサギなどの集団に混じって繁殖する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマサギ」の意味・わかりやすい解説

アマサギ
あまさぎ / 黄毛鷺
cattle egret
[学] Bubulcus ibis

鳥綱コウノトリ目サギ科の鳥。コサギに似た白色のサギであるが、繁殖期には頭頸(とうけい)部、上胸、背などの羽毛はキツネ色を帯びる。ショウジョウサギともいう。全長約52センチメートル。元来は旧世界の熱帯地方の鳥であるが、近年分布域を世界的に広げ、ヨーロッパや南北アメリカにも分布するようになった。日本には夏鳥として渡来し、本州、四国、九州で繁殖する。水田、放牧地、農耕地などにすみ、とくに熱帯地方ではウシやスイギュウの周りに群がり、しばしばウシの背の上に止まっているのがみられる。食物は主として昆虫類。竹やぶなどに集まって集団繁殖する。

[森岡弘之]


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百科事典マイペディア 「アマサギ」の意味・わかりやすい解説

アマサギ

サギ科の鳥。翼長25cm。繁殖時には他のシラサギと異なり,頭,首,飾り羽がオレンジ色。全世界の温帯から熱帯に広く分布,日本では夏鳥として本州以南で繁殖し,九州や南西諸島では越冬するものも多い。水田や草地で昆虫やカエルを捕食し,ウシなどの家畜の後をついて歩き,飛び出す昆虫を捕らえる行動で知られる。他のシラサギ類とともに集団営巣する。

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