ルーマニア西部,同名県の県都。ハンガリーとの国境付近に展開するルーマニア西部平原の中央部を流れるムレシュ川の北岸に位置する。人口16万9327(2005)。標高107m,年平均気温10.7℃,平均年降水量578mm。鉄道や道路交通上の要衝で,工業の中心地である。工作機械をはじめ,車両,繊維,塗料などの工業が発達し,ブドウや木材の集散地でもある。ハンガリー人も多数居住する。ルーマニア正教会の主教座所在地。1698年建立のセルビア教会,1752年の聖フロリアン教会,18世紀の城跡などがある。青銅器時代の遺物も出土するが,記録に現れるのは1156年のラテン語史料で〈ウロド〉と記されているのが初出である。1552年,オスマン・トルコに占領され,オスマン・トルコのティミショアラ管轄地の一部に編入された。カルロビツ条約(1699)以降オーストリア領となり,1867年オーストリア・ハンガリー二重帝国領になったが,第1次世界大戦後,ルーマニアに帰属した。
執筆者:佐々田 誠之助
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