アンモニオボライト(読み)あんもにおぼらいと(その他表記)ammonioborite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモニオボライト」の意味・わかりやすい解説

アンモニオボライト
あんもにおぼらいと
ammonioborite

アンモニアの含水ホウ酸塩。イタリア中部のトスカナ地方ラルデレッロLarderelloにあるカリ、アンモニアおよびホウ素化合物に富む火山噴気物中に産し、また酸性水をもつ干潟堆積(たいせき)物中に産する。硼酸(ほうさん)石やメタボライトmetaborite(化学式HBO2)を除いて、もっともB2O3の含量の大きいホウ酸塩鉱物の一つとして知られる。化学式(NH4)3[B15O20(OH)8]・4H2Oは結晶構造解析から決定された。これは計算値でB2O370.15%を含む。これによって、それまでのラルデレッロ石larderellite(NH4[B5O7(OH)]2・H2O)との間の同質異像関係が解消された。自形報告。不定形板状結晶。水に可溶。肉眼では他のアルカリ含水ホウ酸塩と識別困難。現在産地は原産地のみ。ラルデレッロ石および硼酸石と共存する。命名は成分にちなむ。

加藤 昭 2015年12月14日]


アンモニオボライト(データノート)
あんもにおぼらいとでーたのーと

アンモニオボライト
 英名    ammonioborite
 化学式   (NH4)3[B15O20(OH)8]・4H2O
 少量成分  原記載は(NH4)2OとB2O3のみの定量分析。少量成分の報告なし
 結晶系   単斜
 硬度    非常にもろく,正確な硬度は測れない
 比重    1.76
 色     白
 光沢    ガラス
 条痕    無
 劈開    未報告
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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