脂肪族飽和炭化水素(アルカン)の一つ.n-オクタン以外のオクタンの総称であるが,燃料では通常,2,2,4-トリメチルペンタンのことをいう.原油中に少量含まれる.製法は,酸性触媒を用いて,イソブタンをイソブテンでアルキル化する方法と,イソブテンを硫酸またはリン酸を触媒として二量化し,生成したジイソブテン(イソオクテン)を水素化する方法とがある.いずれの方法もほかの異性体を少量副生するので,精製が必要である.構造はペンタンに三つのメチル基が分枝状に結合したものである.無色の液体.融点-107.38 ℃,沸点99.24 ℃.0.68781.1.38898.エーテルに可溶,エタノールに微溶,水に不溶.ガソリンのアンチノック性を示すオクタン価を測定するための標準燃料(オクタン価=100)であり,燃料としておもに高オクタン価ガソリンの配合に用いられる.ほかに溶剤としての用途もある.[CAS 540-84-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
炭素数8個の飽和炭化水素のうち、直鎖状のものをn-オクタンといい、枝分れしたものをイソオクタンとよぶが、燃料分野ではとくに2,2,4-トリメチルペンタンのことをさす。
石油中にも微量存在するが、工業的にはイソブチレン、イソブタンを原料として合成される。無色の液体。水には溶けないが炭化水素系の溶媒には任意の割合で混じる。ガソリンのアンチノック性を測定する標準燃料で、この化合物のオクタン価を100とする。
また2-メチルヘプタンのことをイソオクタンということがある。
[佐藤武雄・廣田 穰]
ふつうn-オクタンの異性体の一つである2,2,4-トリメチルペンタンをいう。常温・常圧下で無色の液体。オクタン価測定のための正標準燃料(オクタン価100)とされ,またそのオクタン価が高いことを利用して高オクタン価ガソリン製造のための混合材として使用される。イソオクタンの製造法は2種類ある。第1は,酸性触媒を用いてイソブタンをイソブチレンでアルキル化する方法で,
第2は,イソブチレンを硫酸,リン酸などを用いて二量化し,生成するジイソブチレン(イソオクテン)を水素化してイソオクタンとする方法である。
執筆者:冨永 博夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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