イソオクタン(読み)いそおくたん(英語表記)isooctane

翻訳|isooctane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソオクタン」の意味・わかりやすい解説

イソオクタン
いそおくたん
isooctane

炭素数8個の飽和炭化水素のうち、直鎖状のものをn-オクタンといい、枝分れしたものをイソオクタンとよぶが、燃料分野ではとくに2,2,4-トリメチルペンタンのことをさす。

 石油中にも微量存在するが、工業的にはイソブチレンイソブタン原料として合成される。無色液体。水には溶けないが炭化水素系の溶媒には任意の割合で混じる。ガソリンアンチノック性を測定する標準燃料で、この化合物オクタン価を100とする。

 また2-メチルヘプタンのことをイソオクタンということがある。

[佐藤武雄・廣田 穰]


イソオクタン(データノート)
いそおくたんでーたのーと

イソオクタン
(2,2,4-トリメチルペンタン)

 分子式 C8H18
 分子量 114.2
 融点  -107.380℃
 沸点  99.238℃
 比重  0.6919(測定温度20℃)
 屈折率 (n)1.3914

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソオクタン」の意味・わかりやすい解説

イソオクタン
isooctane

2, 2, 4-トリメチルペンタン。化学式 CH3C(CH3)2CH2CH(CH3)2 。石油中に微量含まれている。ガソリンのアンチノック性測定用の標準燃料で,オクタン価 100と規定されている。無色の液体。沸点 99℃。工業用イソオクタンはイソブチレンおよびイソブタンからつくられ,少量の異性体を含むため,オクタン価は 100より低いが,高オクタン価ガソリンの配合剤として重要である。

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