インジウム銅鉱(読み)インジウムどうこう(その他表記)roquesite

最新 地学事典 「インジウム銅鉱」の解説

インジウムどうこう
インジウム銅鉱

roquesite

化学組成CuInS2鉱物正方晶系,空間群, 格子定数a0.551nm, c1.105, 単位格子中4分子含む。黄銅鉱と同構造で,そのIn置換体に相当するが中間物は未知鉄黒色,金属光沢条痕黒色。劈開なし,硬度3.5~4,比重4.80。ある種の高温熱水鉱脈鉱床・変成鉱床などに産し,黄銅鉱・閃亜鉛鉱などと産する。1963年,最初のInの独立鉱物としてフランスのピレネー地方Charrierにある銅・錫・鉄鉱床から記載された。命名はフランスのクレモン・フェラン大学M.Roques教授にちなむ。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インジウム銅鉱」の意味・わかりやすい解説

インジウム銅鉱
いんじうむどうこう
roquesite

インジウム(In)と銅(Cu)の複硫化物。1963年フランスの鉱物学者ピコPaul Picot(1931― )と、フランスの鉱物学者でオルレアンにある地質鉱山研究施設Bureau de Recherches Géologiques et Minières(BRGM)の鉱物部門長ピエロRoland Pierrot(1930―1998)らによって世界最初のインジウムの独立鉱物として、フランスのカンタル県シャリエCharrierの鉱山から記載された。黄銅鉱のインジウム置換体にあたり、これとともに黄銅鉱系を構成する。なお元素インジウムの発見は1863年で、本鉱の発表はその100周年にあたる。自形未報告。多くの場合、黄銅鉱や斑(はん)銅鉱中の顕微鏡的包有物をなす。気成鉱脈鉱床、高~中温熱水鉱脈鉱床、接触交代鉱床中に産し、インジウムの鉱石鉱物をなす。日本では、兵庫県養父(やぶ)市明延(あけのべ)鉱山(閉山)、同朝来(あさご)市生野(いくの)鉱山(閉山)、北海道札幌(さっぽろ)市豊羽(とよは)鉱山(閉山)などから報告されている。

 共存鉱物は斑銅鉱、黄銅鉱、閃(せん)亜鉛鉱、ウィチヘン鉱エムプレクト鉱磁鉄鉱、硫砒(りゅうひ)鉄鉱、自然蒼鉛(そうえん)、石英など。微粒のため肉眼的な性質は記載されていないが、おそらく四面銅鉱類似の外観のものと思われる。命名はフランスのクレルモン・フェランClermont-Ferrand大学教授で地質学者であるモーリス・ロクMaurice Roques(1911―1997)による。

[加藤 昭 2015年12月14日]


インジウム銅鉱(データノート)
いんじうむどうこうでーたのーと

インジウム銅鉱
 英名    roquesite
 化学式   CuInS2
 少量成分  Fe,Mn,Zn
 結晶系   正方
 硬度    4
 比重    4.78
 色     鉄黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む