ウラノフェン(読み)うらのふぇん(その他表記)uranophane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウラノフェン」の意味・わかりやすい解説

ウラノフェン
うらのふぇん
uranophane

ネソ珪(けい)酸塩鉱物の一つ。針状、毛状あるいは皮膜状結晶をなす。まれに正方柱に近い柱状結晶をなすものもある。ウラン鉱石となる。花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に閃(せん)ウラン鉱などの二次鉱物として産するほか、含ウラン金属鉱脈中に、また堆積(たいせき)岩中に二次鉱物として産する。世界中に産地が多いが、とくにコンゴ民主共和国(旧ザイール)、ドイツ、カナダ、アメリカなどに多産する。日本では福島県川俣(かわまた)町水晶山、岐阜県土岐(とき)市定林寺(じょうりんじ)などで発見されている。名称は、ウランと、現れるという意味のギリシア語フェンとを合成してできた。

松原 聰]


ウラノフェン(データノート)
うらのふぇんでーたのーと

ウラノフェン
 英名    uranophane
 化学式   Ca(UO2)2(SiO3OH)2・5H2O
 少量成分  ―
 結晶系   単斜
 硬度    2.5~3
 比重    3.8~3.9
 色     黄
 光沢    ガラス~絹糸
 条痕    黄
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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