ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウーラント」の意味・わかりやすい解説
ウーラント
Uhland, (Johann) Ludwig
[没]1862.11.13. テュービンゲン
ドイツ・ロマン派の詩人。民謡風の抒情詩,バラードで有名。テュービンゲン大学で法律を学び弁護士となり,議員にも選出された。ドイツ統一挫折後,母校の教授としてドイツ中世文学を講じた。民謡研究にも深い関心を示し,この方面での著作も多い。広く愛誦される『羊飼いの日曜の歌』 Schäfers Sonntagslied,『少年の山の歌』 Des Knaben Bergliedなどはいずれも 20歳前の作品。彼の抒情詩は簡素な美しさをもち,故郷シュワーベンの自然を素朴な感情で歌っているが,個人的抒情というより国民的民族的な感情を歌おうとしている。バラードのほか,ドイツ中世,ラテン中世に材をとった叙事詩にもその才能を発揮した。学問的な著作では『ワルター・フォン・デル・フォーゲルワイデ』 Walther von der Vogelweide (1822) が代表作。
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