エキザカム(その他表記)Exacum affine Balf.

改訂新版 世界大百科事典 「エキザカム」の意味・わかりやすい解説

エキザカム
Exacum affine Balf.

初夏のころから盛夏にかけて鉢物として出回るリンドウ科の二年草。和名ベニヒメリンドウ。原産地はアラビア半島の南,ソコトラ島。よく分枝して高さ20~30cmになり,葉は対生で光沢がある。枝先の葉腋ようえき)に直径約1cmの青紫色の花が次々と開いて芳香がただよう。つぼみはねじれているが,開けば花は5片になる。葯は黄色。

 種子微粒で,まきどきは9~10月。小苗を温室で育てて乾燥させないようによく灌水し,芯つみして小枝を分けて春に1本植えとすれば6月に咲く。秋まきの場合,越冬温度が高いと苗は小さくても開花してしまうので,10℃程度で管理して大きく育てる。
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百科事典マイペディア 「エキザカム」の意味・わかりやすい解説

エキザカム

南〜東南アジアに原産するリンドウ科の草本で,約20種がある。そのうちエキザカム・アッフィネ(ベニヒメリンドウ)が花壇鉢植に用いられ,園芸的に〈エキザカム〉といえばこの種をさすことが多い。インド洋ソコトラ島原産の1年草で,よく分枝し,高さ20cmほど。葉は長い柄のある広卵形で,光沢がある。花は青紫色で頂部の葉腋につき,花冠は4〜5裂し,径約13mm,黄色の(やく)が目立つ。ふつう春まきの1年草としてあつかわれ,夏〜秋に開花する。実生でふやす。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エキザカム」の意味・わかりやすい解説

エキザカム
えきざかむ
[学] Exacum affine Balf.

リンドウ科(APG分類:リンドウ科)の不耐冬性二年草。アフリカ原産で、和名はベニヒメリンドウ。基部より規則的に分枝し、株は半球状に育つ。葉は小形の広卵形で光沢があり、花は青色の5弁で中心の黄色い葯(やく)とのコントラストが美しい。花径は1.5センチメートルと小輪であるが株全体につき、開花期はほぼ周年。品種には丈の低いドワーフミゼットがある。種子は細かい。9月ごろに播(ま)くとよく発芽し、一度移植してから小鉢に植える。用土は排水のよい土がよく、摘芯(てきしん)しなくてもよく分枝する。また挿芽でも容易に発根する。

[鶴島久男 2021年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エキザカム」の意味・わかりやすい解説

エキザカム
Exacum affine; German violet; Mexican violet

リンドウ科エキザカム属の総称であるが,園芸的には,エキザカム・アフィネをさす。インド洋のソコトラ島に自生する一年草。広卵形のつやのある葉が対生し,直径 1.5~2cmの青紫の小花をつける。ウメのような花形で,突き出たおしべの葯の黄色と,青紫の花弁との鮮かな対比が印象的。株元からよく分枝し,こんもりとした球形に茂る。八重咲きや白花品種もある。夏の鉢花として流通し,甘い香りが特徴。半日陰の風通しのよい場所で管理すれば,初夏から秋にかけて花がみられる。病気や害虫が発生しにくく,比較的栽培しやすい。直射日光は避ける。乾燥を嫌うため,水切れに注意する。

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