エラガバルス(読み)えらがばるす(英語表記)Elagabalus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エラガバルス」の意味・わかりやすい解説

エラガバルス
えらがばるす
Elagabalus
(204―222)

古代ローマ皇帝在位218~222)。本名Varius Avitus Bassianus。ヘリオガバルスHelīogabalusともいう。皇帝としてはアウレリウス・アントニヌスMarcus Aurelius Antoninusと称した。セプティミウス・セウェルス帝の遠縁。祖母ユリア・マエサの後押しシリア軍団推戴(すいたい)されて登位した。代々シリアのエメサの太陽神エラ・ガバルの神官家柄の出で、彼自身神官としてローマに同太陽神の聖石を持ち込んで神殿を建て、これを国家最高神とした。祖母や母に政治を任せ、自らは放縦な生活に陥り、元老院兵士の不興を買い、近衛(このえ)軍のために母とともに暗殺された。

[松本宣郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エラガバルス」の意味・わかりやすい解説

エラガバルス
Elagabalus(Heliogabalus), Varius Avitus

[生]204. エメサ
[没]222
ローマ皇帝 (在位 218~222) 。ヘリオガバルスとも呼ばれる。エメサの太陽神エラガバルの神官出身で,本名はウァリウス・アウィツス・バッシアヌス。カラカラ帝の従弟にあたる。カラカラが M.マクリヌスに暗殺され,帝位を奪われると,東方の軍隊に推されてローマに入城,マクリヌスを倒して帝位につき,エラガバルスと称した。太陽神の礼拝をローマに導入したが,淫乱失政のため人望を失い,母ソアエミアスとともに近衛軍に殺された。

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