精選版 日本国語大辞典 「からから」の意味・読み・例文・類語
から‐から
〘副〙
① (多く「と」を伴って用いる) さわやかに高く笑う声を表わす語。
※平家(13C前)一一「からからとわらひ給へば」
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉写生帖「旧を談じて呵々(カラカラ)と笑ひ」
② 金属の器など、堅い物が、ふれあってたてる音を表わす語。大きく、あかるく響く音を表わす。
③ 特に、車などが、調子よく回る音を表わす語。
※大鏡(12C前)三「御くるまの装束をさながらたてさせたまひて、おのづからとみのことの折に、とりあへずとおしひらかば、からからと、人もてもふれぬさきにさしいださんがれうと」
※不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉上「車井の響(おと)珂々(カラカラ)と」
④ 足音の高く響く音などを表わす語。
※虎寛本狂言・竹生島参(室町末‐近世初)「某はいぬるで候と申て、あたりの在所へ、くはらくはらとかけて参りました」
⑤ 転げまわるさまを表わす語。
から‐から
[1] 〘形動〙
① 物が乾ききっているさまを表わす語。〔俚言集覧(1797頃)〕
② 器物などの内がからで、何もないさまを表わす語。
③ 無一文であるさまを表わす語。
[2] 〘副〙 物が乾ききっているさまを表わす語。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)五「口中(くち)はからから干(かわい)て居るゆゑ」
から‐から
〘名〙
① 干した鮭をいう女房詞。〔大上臈御名之事(16C前か)〕
② 鰹(かつお)をいう女房詞。おかつ。
※大上臈御名之事(16C前か)「かつほ。おかつ。からから共」
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