オガサワラオオコウモリ(読み)おがさわらおおこうもり(英語表記)Bonin flying fox

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オガサワラオオコウモリ」の意味・わかりやすい解説

オガサワラオオコウモリ
おがさわらおおこうもり / 小笠原大蝙蝠
Bonin flying fox
[学] Pteropus pselaphon

哺乳(ほにゅう)綱翼手目オオコウモリ科の動物。小笠原諸島硫黄(いおう)列島特産で、国の天然記念物。頭胴長20センチメートル前後、前腕長13~14センチメートル。エラブオオコウモリにみられる淡色の頸斑(けいはん)を欠き、下腿(かたい)部、後足背面有毛、上下面とも灰黒褐色で、光沢がある銀白色の毛を混生し、霜降り状、門歯臼歯(きゅうし)は近似の他種より大きい。かつては小笠原諸島の各島に多数みられたが、いまでは個体数が著しく少なくなっている。

[吉行瑞子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オガサワラオオコウモリ」の意味・わかりやすい解説

オガサワラオオコウモリ
Pteropus pselaphon; Bonin flying fox

翼手目オオコウモリ科。前腕長 13~13.5cm,体長 19~25cm。頭部は黒色,体部は黒褐色で光沢のある銀白色の毛が混じる。鼻先は短くて太い。おもに夕方明け方に活動するが,日中も飛ぶ。タコノキバナナなどの果実や,リュウゼツラン (竜舌蘭) などの花の蜜を主食とする。小笠原諸島の父島,母島と南硫黄島に分布し,国の天然記念物に指定されている。

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