日本大百科全書(ニッポニカ) 「カビンダ」の意味・わかりやすい解説
カビンダ
かびんだ
Cabinda
アフリカ中部、コンゴ川河口に位置するアンゴラの飛び地。アンゴラ本土とは幅約30キロメートルのコンゴ民主共和国(旧ザイール)領によって隔てられている。面積約7270平方キロメートル、人口約8.4万(1974)、都市圏人口71万8915(2019推計)。中心都市はカビンダ市。15世紀後半にポルトガル人が来航し、16世紀以降砦(とりで)が築かれ、1885年のベルリン条約でポルトガル領西アフリカ(現アンゴラ)の飛び地として公認された。1975年の独立でアンゴラ領となった。土地は全般に平坦(へいたん)で、年降水量は800~1600ミリメートルに達し、各地に熱帯林が残されており、この木材が輸出の中心となっている。また1967年に沿岸の大陸棚で石油が発見され、現在開発途上にある。農業においてもカカオ、アブラヤシ、ラッカセイなどの商品作物化が進められている。住民の中心はバントゥー語系のカビンダ人で、教育水準は比較的高い。
[端 信行]