ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カマルゴ」の意味・わかりやすい解説
カマルゴ
Camargo, Marie
[没]1770.4.20. パリ
フランスのバレリーナ。本名 Marie-Anne de Cupis de Camargo。イタリア人を父,スペイン人を母に生れる。パリで F.プレボーに師事したのち,1726年『舞踊の登場人物』でオペラ座にデビュー。『アジャス』『仮装した恋人』『パリスの審判』『優雅なインド諸島』などを踊った。バレエの旧習を排した M.サレの好敵手であり,カマルゴもスカートの裾を短くし,舞踊靴のかかとを取って踊った。これにより脚足の自由を獲得し,空中での速いステップを可能にして,アントルシャ・カトル (4回のアントルシャ) やジュッテを考案。それまで男性用であった,空中の大きなステップをこなすことで有名であった。決して恵まれた容姿ではなかったらしいが,舞台ではそうみえなかったといわれている。 32年フランスに帰化し,51年に引退。のち 1930年に,バレエを財政的に援助する目的でロンドンにカマルゴ協会が設立された。
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