カマルゴ(読み)かまるご(英語表記)Marie Anne de Cupis de Camargo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カマルゴ」の意味・わかりやすい解説

カマルゴ
Camargo, Marie

[生]1710.4.15. ブリュッセル
[没]1770.4.20. パリ
フランスバレリーナ。本名 Marie-Anne de Cupis de Camargo。イタリア人を父,スペイン人を母に生れる。パリで F.プレボーに師事したのち,1726年『舞踊の登場人物』でオペラ座にデビュー。『アジャス』『仮装した恋人』『パリス審判』『優雅なインド諸島』などを踊った。バレエの旧習を排した M.サレ好敵手であり,カマルゴスカートの裾を短くし,舞踊靴のかかとを取って踊った。これにより脚足の自由を獲得し,空中での速いステップを可能にして,アントルシャ・カトル (4回のアントルシャ) やジュッテ考案。それまで男性用であった,空中の大きなステップをこなすことで有名であった。決して恵まれた容姿ではなかったらしいが,舞台ではそうみえなかったといわれている。 32年フランスに帰化し,51年に引退。のち 1930年に,バレエを財政的に援助する目的でロンドンにカマルゴ協会が設立された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カマルゴ」の意味・わかりやすい解説

カマルゴ
かまるご
Marie Anne de Cupis de Camargo
(1710―1770)

フランスのバレリーナ。ブリュッセル生まれ。1726年パリのオペラ座に出演して名声を得、51年に引退した。絢爛(けんらん)たるテクニックをもった宮廷バレエを代表するダンサーであったが、彼女功績は、それまで長いスカートを着けて足の動きが不自由であったことに反発し、スカートを短くし、足の動きが観客に見えるように改革したことである。彼女の演じた「アントルシャ・カトル」のテクニックは、脚部が自由になって初めてできたものであった。1930年に創立されたイギリスのバレエ振興団体、カマルゴ協会は彼女にちなんで命名された。

市川 雅]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android