教会や市庁舎などの塔に据え付けられた,それぞれ一定の音高に調律された一組の鐘。音域,鐘の数は時代,地方により異なるが,全半音階を有する2~3オクターブのものが18世紀の標準的なもの。語源がラテン語quadrilionem(四つ一組の意)であるように,市民に時を告げるために4個の鐘を塔の上から打ったのがその原形とみられる。13世紀にオルゴール方式の自動演奏装置が,16世紀初頭にげんこつでたたく棒状の手鍵盤と低音用の足鍵盤の機構が採用され,演奏の可能性が拡大した。16~17世紀にフランス北部,ベルギー,オランダで特に愛好され,各都市が競って設置し,カリヨン製作と演奏の中心地となった。近代になり一時衰退したが,19世紀末より復興の動きがいちじるしく,奏者養成所の設立,定期演奏会の再開などにより,カリヨンの響きが再び町の名物となった。これと並行してアメリカにも多くのカリヨンが設置され,アメリカは20世紀のカリヨン音楽の第2の中心地となっている。
執筆者:植田 義子
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