カーペンター(読み)かーぺんたー(英語表記)Edward Carpenter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーペンター」の意味・わかりやすい解説

カーペンター
Carpenter, Scott

[生]1925.5.1. コロラドボールダー
[没]2013.10.10. コロラド,デンバー
アメリカ合衆国の宇宙飛行士。フルネーム Malcolm Scott Carpenter。コロラド大学で宇宙工学を学んだのち,1949年アメリカ海軍に入隊,朝鮮戦争に従軍。1950年代後半,海軍テストパイロットとなり,1959年4月,アメリカ航空宇宙局 NASAマーキュリー計画のために選ばれた 7人の宇宙飛行士の一人となった。1962年5月24日に打ち上げられた『オーロラ』7号でアメリカ人として 2人目となる軌道飛行を行ない,地球を 3周した(→宇宙船)。1964年オートバイ事故により左腕を負傷,宇宙飛行士を退く。1965年に海軍の海中居住実験計画「シーラブII」に参加,水深 62.5mの海中で生活した。1969年海軍を退役し,民間人として海洋エネルギー研究に携わった。

カーペンター
Carpenter, Mary

[生]1807.4.3. エクセター
[没]1877.6.14. ブリストル
イギリスの女性社会事業家。社会改良家,貧困児のための無月謝学校であるいわゆる「ぼろ学校」の設立者。ユニテリアン牧師であった父親がエクセターで経営していた学校で教育を受けた。 1829年母親とともにブリストルに女学校を開設。 1846年ブリストルのスラム街に「ぼろ学校」を,1852年に少年感化院を,1854年に少女感化院を設立。これより先の 1833年,インドの指導者 R.ローイボストンの社会事業家 J.タッカーマンを通じてインドに関心をいだき前後4回インドを訪れ,帰国後「救印思潮普及全英インド協会」を設立した。 1873年北アメリカを訪問し,その刑務所制度の欠陥について報道した。

カーペンター
Carpenter, John Alden

[生]1876.2.28. イリノイ,パークリッジ
[没]1951.4.26. シカゴ
アメリカの作曲家。 1893年ハーバード大学に入学,在学中個人的に音楽を学び,卒業後も父の会社の副社長をするかたわら,E.エルガーに師事して作曲を学んだ。ジャズリズムを交えながらアメリカの現代生活を写実的に,ユーモア詩情をもって描き出す。代表作は,管弦楽のための『乳母車の冒険』 (1915) ,バレエ曲『摩天楼』 (26) 。

カーペンター
Carpenter, Edward

[生]1844.8.29. ブライトン
[没]1929.6.28. サリー,ギルフォード
イギリスの著述家,社会改革家。アメリカの詩人ホイットマンとの交友で知られる。社会改革家としては,W.モリスの影響を受け,ダービーシャーの田園に住み,クラフト運動に携わった。主著は『民主主義を目指して』 Towards Democracy (1883) 。

カーペンター
Carpenter, Clarence Raymond

[生]1905.11.28. ノースカロライナ,リンカーン
[没]1975.3.1. ジョージア,アセンズ
アメリカの動物学者。野生状態にあるテナガザルやオランウータンなどの生態を詳細に観察し,その生活様式や社会構造を研究した。哺乳類を対象とした動物社会研究の草分けの一人とされている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーペンター」の意味・わかりやすい解説

カーペンター
かーぺんたー
Edward Carpenter
(1844―1929)

イギリスの社会改良家、詩人。初めイングランド教会牧師となるが、還俗(げんぞく)し、社会主義運動に身を投じ、詩集『民主主義へ向けて』(1883)を公にする。ウィリアム・モリスの唱える中世的・道徳的原始社会を夢み、アメリカに渡って親交を深めたホイットマンをはじめ、ソロー、トルストイらの影響を強く受けた。性の倫理、審美主義中心の平等社会を説く理想家であった。

[船戸英夫]

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