改訂新版 世界大百科事典 「ギンゴウカン」の意味・わかりやすい解説
ギンゴウカン
white popinac
Leucaena leucocephala De Wit
ネムノキに似たマメ科の常緑樹で花が白いので,ギンネムともいう。性質が強くやせ地にもよく育つため肥料木として熱帯で利用されるほか,種子は,炒(い)ってコーヒーの代用にされたり,煮て軟らかくしてから針で糸を通しネックレスなどの工芸品も作られる。また熱帯各地で,耕地の表土の流亡を防ぐために植えられる。葉と花はネムノキに似ているが,花はやや小さく球状をなす。花が白く見えるのは花弁の3倍も長い10本のおしべのためである。果実は莢(さや)状をなし,長さ10~15cm,種子はやや扁平な楕円形で長さ7mmくらい,褐色で光沢があり硬い。根にはマメ科特有の根粒がつき,空中の窒素をとらえ養分とするのでやせ地でも育つが,土の浅いところでは樹高は1~2mでとまる。繁殖は実生により,鉢植えまたは地植えとする。暖地では冬季落葉するが,越冬する。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報