南極大陸中,西経20°から東経45°の範囲。ノルウェー国王ホーコン7世の皇后の名により,イギリスではノルウェー名を尊重し,ドロンニン・モード・ランドDronning Maud Landという。ノルウェーが領土権を主張している。1820年にロシアのF.F.ベリンスガウゼン(F.G.vonベリングスハウゼンともいう)が沖合から大陸を望見したといわれているが,1930年代にノルウェーの捕鯨関係者が捕鯨権益の保護と新陸地の発見に従事し,この陸地一帯に当時のノルウェー皇族名をつけた。すなわち,西からプリンセス・マーサMarthaコースト,プリンセス・アストリッドAstridコースト,プリンセス・ラグンヒルドRagnhildコースト,昭和基地のあるプリンス・ハラル(ハラルド)Haraldコースト(東経34~40°),プリンス・オラフOlavコーストである。北縁はほぼ南極圏に沿っているが氷棚が発達し,陸地との境界は不明。内陸部に多くの山群がある。1938-39年にドイツ隊が航空偵察,49-52年ノルウェー・イギリス・スウェーデン共同観測のあと,57-58年の国際地球観測年を契機として日本,ソ連,南アフリカ共和国の基地が設けられ,81年1月には西ドイツも仮基地を設けた。日本隊は東経35~50°の雪氷・地学調査を行っており,さらに西方のセル・ロンダーネSφr Rondane山脈(西経20°)まで調査を広げる予定である。
執筆者:楠 宏
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南極大陸の大西洋に面した、西経20度から東経45度までの地域。この範囲の決め方は国によって多少異なる。西からプリンセス・マルタ、プリンセス・アストリッド、プリンセス・ラグンヒルド、プリンス・ハラルド、宗谷、プリンス・オラフの諸海岸に分けられる。昭和基地が、宗谷海岸のオングル島にある。1930年に、ノルウェーのリイセル・ラルセンが東経37~50度の間の空中偵察を行い、モード女王の名をつけた。39年ドイツのリッチャーは、東経2度付近の東西を空中偵察し、ノイシュワーベンラントと名づけた。内陸部には山脈群が東西に連なっている。沿岸にはドイツ、南アフリカ、ロシア、日本の基地がある。ノルウェーがこの地域の領土権を主張しているが、南極条約により現在その主張は凍結されている。日本隊はこの地域の調査を過去四半世紀続けており、82年からセール・ロンダーネ山脈や内陸氷床を調査している。
[楠 宏]
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