クヌーセン(読み)くぬーせん(英語表記)Jacob Christian Knudsen

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クヌーセン」の意味・わかりやすい解説

クヌーセン(Martin Hans Christian Knudsen)
くぬーせん
Martin Hans Christian Knudsen
(1871―1949)

デンマークの海洋学者。コペンハーゲン大学教授。多くの基礎的な業績により現代海洋化学の開祖といわれる。フォルヒC. Forch、セーレンセンS. P. L. Sørensenと共同で海水の「塩分」を定義、またヘラン・ハンセンB. Helland-Hansen(1877―1957)らと共同し『海洋常用表』を作成した。これらのほか「標準海水」を作成、また海水塩素量を決める「クヌーセンの海水ピペットおよびビュレット」はサリノメーターが導入されるまで長く海洋界で使用された。彼の常用表はその後発展、変遷し、1966年ユネスコとイギリス海洋学研究所により『国際海洋学常用表』として刊行されている。

[半澤正男]


クヌーセン(Jacob Christian Knudsen)
くぬーせん
Jacob Christian Knudsen
(1858―1917)

デンマークの作家神学を修め、しばらく国民高等学校教師牧師をしたが、のち小説に転じて農民の社会的、宗教的苦闘をおもに描いた。処女作『老牧師』(1899)は多くの版を重ね劇化もされた。その後作品はかなり多いが、『発酵―澄明化』(1902)、『心』(1903)、『不安―勇気』(1912~14。のちに『マルチン・ルーテル』と改題)、彼の作家としての立場を書いた『人生哲学』(1907)などが代表作とみられる。

[山室 静]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クヌーセン」の意味・わかりやすい解説

クヌーセン
Knudsen, Jakob

[生]1858.9.14. レディン
[没]1917.1.21. ビルケレート
デンマークの小説家。 G.ブランデスの指導する急進的リアリズム反逆社会主義や心理分析にも反対して,反抗よりは服従と責任を強調したモラリスト主著『老牧師』 Den gamle Præst (1899) ,『心』 Sind (1903) ,『教師ウールプ』 Lærer Urup (09) ,『ユランの人々』 Tyder (15~17) 。

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