改訂新版 世界大百科事典 「クヌーセン」の意味・わかりやすい解説
クヌーセン
Martin Hans Christian Knudsen
生没年:1871-1949
デンマークの海洋学者,物理学者。コペンハーゲン大学で物理学を修め,1912年から41年までコペンハーゲン大学で物理学の教授をつとめる。海水の塩素量,塩分,密度などの物理的特性を明確に定義し,その測定法や計算法を確立した。とくに1899年には,塩分量の精密測定のために標準海水を作成する事業に主導的役割を果たし,また1901年には水温と塩素量に対して海水の塩分や密度の数値を与える海洋観測常用表を同僚の助力を得て作成した。これらは,以後世界的に用いられるようになった。一方物理学の分野では,希薄な気体の流れや性質に関する研究に力を注ぎ,気体分子の運動を利用した絶対真空計(クヌーセン真空計)を作った。また,希薄気体の流れを特徴づけるクヌーセン数を定義したことでも知られる。
執筆者:野崎 義行
クヌーセン
Jakob Knudsen
生没年:1858-1917
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報