クレア(読み)くれあ(英語表記)John Clare

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレア」の意味・わかりやすい解説

クレア
Clare, John

[生]1793.7.13. ノーサンプトンシャー,ヘルプストン
[没]1864.5.20. ノーサンプトン
イギリス詩人。「ノーサンプトンシャーの貧農詩人」と自称した。貧しい家庭に生れ正規の教育はほとんど受けなかったが,幼少の頃から旺盛な読書欲を示した。 1808年,J.トムソンの『四季』を読んで詩人を志した。 20年最初の詩集田園生活風景』 Poems Descriptive of Rural Life and Sceneryを出版。同年ロンドンに出て多くの文人と知合った。貧困のため憂鬱症が高じて,37年エッピング・フォレストの精神病院に入院,41年ノーサンプトンの病院に移り,ここで死ぬまでの 23年間を過した。作品は『村の吟遊詩人』 The Village Minstrel (1821) ,『牧人の暦』 The Shepherd's Calendar (27) ,『田舎の詩神』 The Rural Muse (35) など。純粋な自然詩のうちに独自の抒情性が見出される。

クレア(伯)
クレア[はく]
Clare, John Fitzgibbon, 1st Earl of

[生]1749. ダブリン近郊
[没]1802.1.28. ダブリン
アイルランド大法官 (在任 1789~1802) 。イギリスとアイルランドとの合併を定めた合同法 (1800) の成立に尽力した。カトリック教徒解放などの運動に対して抑圧的であった。 1795年クレア伯爵に叙せられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレア」の意味・わかりやすい解説

クレア
くれあ
John Clare
(1793―1864)

イギリスの詩人。貧しい農民の子に生まれ、7歳のときから畑仕事に追われ正規の教育も受けず育つ。早熟で早くから詩に興味を抱き、J・トムソンの『四季』に触れて詩的開眼を得た。貧窮と精神病に苦しみながら、珠玉叙情詩を発表し、「ノーサンプトンシャーの農民詩人」と称された。『田園の生活と風景』(1820)、『村の詩人』(1821)などがある。

[早乙女忠]

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