ハズリット(読み)はずりっと(英語表記)William Hazlitt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハズリット」の意味・わかりやすい解説

ハズリット
Hazlitt, William

[生]1778.4.10. ケントメードストン
[没]1830.9.18. ロンドン
イギリスの批評家,随筆家。父はユニテリアン派の牧師で,彼も牧師を志したが,コールリッジと知合い,文学に転じた。その間の経緯は,エッセー詩人との最初の出会い』 My First Acquaintance with Poets (1823) に詳しい。またラムや L.ハントらとも親交があった。種々の雑誌に多くの評論随筆寄稿,断片的だが豊かな才能を示し,コールリッジと並ぶロマン主義批評の第一人者と認められる。主著『シェークスピア劇の登場人物』 Characters of Shakespeare's Plays (17) ,講演をまとめた『イギリス詩人論』 On the English Poets (18) ,『イギリス喜劇作家論』 On the English Comic Writers (19) ,『エリザベス朝劇文学』 Lectures on the Dramatic Literature of the Age of Elizabeth (20) ,随筆集『座談』 Table Talk (21) ,『平話集』 The Plain Speaker (26) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハズリット」の意味・わかりやすい解説

ハズリット
はずりっと
William Hazlitt
(1778―1830)

イギリスの批評家、随筆家。自由主義的傾向の強いユニテリアン派の牧師を父とし、初め聖職者、ついで画家を志したが、コールリッジ、ワーズワース、ラムとの交友から文学の道に進んだ。彼の作品は美術・演劇に関するもの、随筆の類、文学批評の3種に大別されるが、なかでも『シェークスピア劇の登場人物』(1817)、『エリザベス朝劇文学研究』(1820)などによって名声を得た。人物や人生を画家の鋭い視点から眺めた身辺雑記的小品にも捨てがたい味わいがあり、それらは『円卓』(1817)その他に収められている。イギリスで批評・雑文によって生計をたてた最初の作家であるといわれる。

[前川祐一]

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