クロモ(読み)くろも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロモ」の意味・わかりやすい解説

クロモ
くろも / 黒藻
[学] Hydrilla verticillata (L.f.) Royle

トチカガミ科(APG分類:トチカガミ科)の沈水性多年生水草。茎は径約2ミリメートル、円柱形でやや堅く、折れやすい。葉は濃緑色、披針(ひしん)形で長さ1~2センチメートル。縁(へり)に鋸歯(きょし)が目だち、茎に1~2センチメートル間隔に3~10枚ずつ輪生する。雌雄異株、まれに同株。花期は6~10月で、雄花は各葉腋(ようえき)に1個ずつつく。雌花は葉腋から水面まで花柄を出し、水面上で受粉する。種子または殖芽で越冬する。世界の湖沼河川に広く分布する。名は、葉の色に由来する。

[大滝末男 2018年9月19日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロモ」の意味・わかりやすい解説

クロモ(黒藻)
クロモ
Hydrilla verticillata

トチカガミ科の多年草。池沼や流水中に群生する。枝の塊が泥中に入ったり,小枝が切れて水底に沈んだりして生じる芽体で越冬する。沈水性で茎は長さ 30~80cm,葉は輪生し広線形で柄はなく,細鋸歯があり長さ 10~15mm,幅1~2mmほどで質は薄い。全体に暗い緑色でこの名がある。夏秋の頃,水上に浮んで小花をつける。へら形の外花被片は3枚,花弁状の内花被片も3枚で淡紫色雌雄異花

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