日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロヤマアリ」の意味・わかりやすい解説
クロヤマアリ
くろやまあり / 黒山蟻
[学] Formica japonica
昆虫綱膜翅(まくし)目アリ科に属する昆虫。日本各地および朝鮮半島、中国などに分布する。体長は働きアリで約5ミリメートル、女王で10ミリメートルぐらい。体は黒褐色で、体全体は軟毛で覆われ、剛毛がまばらに生える。もっとも普通にみられるアリで、裸地や草地の土中深く巣をつくる。アブラムシの甘露(蜜(みつ))をなめるために、それを保護するが、肉食性(おもに昆虫の死骸(しがい)などを食べる)も強い。羽アリは7、8月に飛び出す。近縁種にハヤシクロヤマアリ、ヤマクロヤマアリ、タカネクロヤマアリがいるが、それぞれ平地の林地、亜高山帯、2500メートル以上の高山帯にすみ分けている。
[山内克典]
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