2,2,2-trichloro-1,1-ethanediol.C2H3Cl3O2(165.41).Cl3CCH(OH)2.トリクロロアセトアルデヒドに必要量の水を加えると得られる.白色の結晶.刺激臭,苦味がある.融点57 ℃,沸点98 ℃.沸点でクロラールと水に分解する.水に易溶,エタノール,エーテル,クロロホルムに可溶.アルカリを作用させるとクロロホルムを生成し,アンモニア性硝酸銀を還元する.DDTの製造に用いられ,催眠,抗けいれん剤に使われる.LD50 1100 mg/kg(マウス,経口).[CAS 515-83-3]
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…重合しやすく,白色粉末のメタクロラールとなる。また当量の水と水和物を形成し,抱水クロラールchloral hydrate CCl3CH(OH)2となる。抱水クロラールは,融点51.6℃の無色板状結晶で,96℃でクロラールと水に分解する。…
…19世紀になって多くの薬がつくられ,1850年に臭素が性欲を抑えること,翌年にはその抗癲癇(てんかん)作用が発見された。69年に抱水クロラールが睡眠薬に使われ,1903年にはバルビタールも合成された。しかし,実際に精神治療薬が現れたのは第2次大戦後である。…
…もともとベンゾジアゼピン類は抗不安薬として開発されたものであるが,睡眠誘導薬としての評価が高まっており,バルビツレート系催眠薬に代わってよく用いられるようになっている。(2)抱水クロラール 1832年J.F.vonリービヒによって合成され,69年に初めて使われた。最も古い催眠薬で,バルビツレート以前にはよく用いられた。…
※「抱水クロラール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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