ぐりぐり

精選版 日本国語大辞典 「ぐりぐり」の意味・読み・例文・類語

ぐり‐ぐり

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 押えつけながら、強く回す、または、丸めるさまを表わす語。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「手紙を引っ裂いてグリグリと丸めて」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二「肩の上でぐりぐりと乱暴に臂(ひぢ)で肉をつき下ろした」
② いかにも丸くて、大きいさまを表わす語。特に目の表情をいう場合、「くりくり」よりも力の強い感じで、目を大きく開いて動かす様子をいい、おそろしさ、きみわるさが含まれる。
※二百十日(1906)〈夏目漱石〉二「さう眼をぐりぐりさせなくっても」
③ 堅くて丸みをもったものが、内部でゆれ動くさまを表わす語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
④ 小さい舟がゆれ動くさまを表わす語。
小島くちずさみ(1353)「小舟のぐりぐりとするやうなるに乗りたる心地、いとむくつけし」
[2] 〘形動〙
① 幾重にも巻いているさま。
※女ひと(1955)〈室生犀星〉くちなはの記「長いからだはぐりぐりに捲きついてはゐるものの」
② (一)③に同じ。
他人の顔(1964)〈安部公房〉灰色のノート「全身欲望の結節でぐりぐりになり、ぼくは瘤だらけの老木さながらになっていた」
[3] 〘名〙
① ((一)①から転じて) 甘えたりふざけたりして肘で相手の体を押しもんでこづくことをいう。
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉六「『ようッたらよう』のぐりぐりに有頂天となる」
② ((一)③から転じて) 頸のまわり、顎の下、耳の下などにできる腫瘍および腫脹。また、一般に、体にできる固いしこり
※落語・裏の裡愛妾の肚(1889)〈五代目翁家さん馬〉「私(わっ)ちゃア真中ばかりおさへて居たから、此ぐりぐりに気が附きませんでした」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぐりぐり」の意味・読み・例文・類語

ぐり‐ぐり

[名]皮下にできる脂肪腫しぼうしゅリンパ節腫。「耳の下にぐりぐりができる」
[副](スル)
押さえつけながら強く回すさま。「ひじで肩をぐりぐり(と)もむ」
丸くて大きいさま。特に目についていう。「今にも飛び出しそうなぐりぐり(と)した目」
固くて丸みのあるものが中で動くさま。「ぐりぐり(と)したしこり」
アクセントはグリグリリグリ。
[類語]1くるりぐるりくるりくるりぐるりぐるりくるっとくるくるぐるぐるくりくりころころごろごろからからがらがらころりごろり/(2くりくりくるくるくるっとくるり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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