ぐるり(読み)グルリ

デジタル大辞泉 「ぐるり」の意味・読み・例文・類語

ぐるり

[名]まわり。周囲四辺。「家のぐるりに塀を巡らす」
[副]
物が回るさま。「船がぐるりと向きを変える」「ぐるりとあたりを見まわす」
物のまわりを円を描いて動いたり、取り囲んだりするさま。「人垣ぐるりととり囲む」
[補説]「くるり」は、軽くすばやい回転にいうが、「ぐるり」は大きく鈍重な回転にいう。
[類語]周辺周囲周縁周回外周辺り近辺四辺四方四囲四面八方まわり近く付近界隈かいわい近傍一帯へん見渡す限り1くるりくるりくるりぐるりぐるりくるっとくるくるぐるぐるくりくりぐりぐりころころごろごろからからがらがらころりごろり/(2ぐるっと囲う囲む取り巻く巡らす巡る取り囲む張り巡らす包囲囲繞いじょう遠巻き

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぐるり」の意味・読み・例文・類語

ぐるり

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ある物のまわり。周辺。めぐり。
      1. [初出の実例]「たいり見にゆかんとて、ついぢのくるりをとをりぬるに」(出典:咄本・私可多咄(1671)一)
      2. 「家のぐるりを蟇(がま)が鳴いて廻った」(出典雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
    2. 帯をいう、人形浄瑠璃社会の隠語。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
    3. くるりぼう(━棒)〔物類称呼(1775)〕
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
    1. 人や物などが一回転したり反転したりするさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「下駄の歯(はのさき)でぐるりとまはりながら」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)
    2. 人や物などが円を描いて動いたり取り囲んだりするさま、また、ある地域のまわりなどをめぐって移動するさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「Gururito(グルリト) クルマザニ ナヲル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    3. 物を包んだり丸めたりするさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「宅に居ると着流して御坐るからグルリと捲(まく)れますが」(出典:落語・粗忽の使者(1891)〈三代目三遊亭円遊〉)
    4. 急に様子が変わるさまを表わす語。がらりと。
      1. [初出の実例]「御風俗から、お口のお利きなさり様から、ぐるりと変って」(出典:人情本・貞操園の朝顔(19C中)四)

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