がらがら(読み)ガラガラ

デジタル大辞泉 「がらがら」の意味・読み・例文・類語

がら‐がら

[副](スル)
物が崩れたりぶつかったりするときの、大きく響く音を表す語。「がらがら(と)壁が崩れる」
引き戸の開閉や、堅い車輪の回転の音を表す語。「格子戸がらがら(と)開ける」「荷車ががらがら(と)音をたてて通る」
のどに水をためてうがいをする音を表す語。「がらがら(と)のどをすすぐ」
遠慮がなく、思ったことを大声で言ったりするさま。がさつなさま。「がらがらした男だが、気はいい」
[形動]
あるべきものがほとんどなくて、すきまが多いさま。「がらがらな(の)電車」
かすれた声のさま。「がらがらな(の)声」
[名]
柄を持って振ると、がらがらと鳴る幼児のおもちゃ
回転式の木製の箱から、玉を一つだけ取り出す仕組みの抽籤ちゅうせん器。がらぽん。
アクセントラガラ、はガラガラはガラガラ・ガラガラ。
[類語]1ちゃらちゃらちゃりんじゃらじゃらちりんちりんがちゃがちゃかたりがたりかたんがたんかたかたがたがたかたことがたごとことことごとごとことりごとりことんごとんこんこんこんごんごんがつんこつんごつんかちゃかちゃかちりかちかちこつこつどんとんとんとんどんどんかちゃりがちゃりかちゃんがちゃんかちんがちんからからがらりかんかんがんがんころころごろごろからんころんどたどたどかどかどっとどすどすどしどしばんばんやかましいうるさい騒騒しい騒がしいかまびすしいかしましいにぎやか騒然喧騒喧喧囂囂けたたましい/(2くるりぐるりくるりくるりぐるりぐるりくるっとくるくるぐるぐるくりくりぐりぐりころころごろごろからからころりごろり

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精選版 日本国語大辞典 「がらがら」の意味・読み・例文・類語

がら‐がら

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる。古くは「ぐゎらぐゎら」「ぐらぐら」とも表記 )
    1. 物のくずれ落ちる音や、堅い物がぶつかり合う音などの、重く大きな響きを表わす語。
      1. [初出の実例]「湯のぐらぐらとにえてときどきぐゎらぐゎらとくづるるやうにをとがするぞ」(出典:玉塵抄(1563)五四)
      2. 「カミナリガ guaraguarato(グヮラグヮラト) ナル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
      3. 「小簾(をす)、襖、ゆらゆらぐゎらぐゎら、そりゃ地震と」(出典:桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉一)
    2. 引戸の開閉や、車輪などの回転の音を表わす語。
      1. [初出の実例]「扨々憎いやつで御ざる。ぐらぐら。ヤイ、おのれ能う酒を盗んで呑おったな」(出典:虎寛本狂言・樋の酒(室町末‐近世初))
      2. 「大きな水車が〈略〉ぐゎらぐゎらぐゎらと恐しくまはってゐる」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉後)
    3. からだの中から内容物が出たり、吐き出したりするときの音、また、うがいをするときの音を表わす語。
      1. [初出の実例]「腹わたがぐらぐらと出(づ)ると、目がくるくるとまふて、其まま死るで有う」(出典:虎寛本狂言・鎌腹(室町末‐近世初))
      2. 「がらがらと漱ひをした後で」(出典:続百鬼園随筆(1934)〈内田百〉薬喰)
    4. 堅い物がふれ合う、軽くかわいた感じの響きを表わす語。近代ではとの区別がはっきりしなくなる。
      1. [初出の実例]「Garagarato(ガラガラト)〈訳〉副詞。振鈴、鈴、将棋の駒、胡桃(くるみ)などが鳴るさま」(出典:日葡辞書(1603‐04))
      2. 「ばけつをがらがらいはせて、働いてゐる」(出典:あらくれ(1915)〈徳田秋声〉八二)
    5. ( 多く「がらがらした」「がらがらしている」の形で用いられる ) 遠慮しないで露骨に、大声でものを言ったり、笑ったりするさま。また、性質があけっぴろげで、がさつなさま。
      1. [初出の実例]「がらがら〈略〉悪意なく多言なるを、がらがら物をいふといへり」(出典:俚言集覧(1797頃))
      2. 「こんながらがらした性分ですけれど」(出典:黴(1911)〈徳田秋声〉一四)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. 物が乾ききっているさま、乾いた音をたてるほど水気がすっかりなくなっているさま。
      1. [初出の実例]「がらがらに枯て転がる落葉かな〈虚子〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・<著者>高浜虚子編〉)
    2. 声などがしわがれて、にごっているさま。
      1. [初出の実例]「それをガラガラな大声でどなり立ててしまった」(出典:蟹工船(1929)〈小林多喜二〉八)
    3. 内部に何もないさま、非常にすいているさま。
      1. [初出の実例]「屋根の歪んだ家の前へ来た。それは古い貝殻のやうにガラガラになって煤けてゐた」(出典:天国の記録(1930)〈下村千秋〉四)
    4. 身体のやせ細っているさま。
      1. [初出の実例]「馬は〈略〉年寄った百姓のやうな、ガラガラに痩せた尻を跳ねあげるやうにして」(出典:防雪林(1928)〈小林多喜二〉八)
    5. 小事にこだわらないで、度量の広いさま。
      1. [初出の実例]「当人同士ならば随分磊落(ガラガラ)の女なりとも男なりとも互ひに云ひ難き節のあるべけれど」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉七四)
  3. [ 3 ] 〘 名詞 〙
    1. 柄をもって振ると、がらがらと音のする玩具。
      1. [初出の実例]「懐より小判参両取出し、小刀にて穴を明け、紙縷を通して、持遊のがらがらにして件の子供にあたへ、案内を乞ふ」(出典:随筆・翁草(1791)八)
    2. がらがらせんべい(━煎餠)」の略。
  4. [ 4 ] 〘 造語要素 〙 名詞に付いて[ 一 ]などの意味を添える。「がらがらかなぼう(=火の用心の持つ金棒)」「がらがらまる(=鈍刀)」「がらがらもの」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「がらがら」の意味・わかりやすい解説

がらがら

生後間もないころから3ヵ月くらいまでの乳幼児を主にした育児向きの音響玩具。柄のついた円形の胴に球を入れ,振るとガラガラと鳴るのでこの名で呼ばれる。おしゃぶりを兼ねているものもあり,手で握って振って遊べるようにつくってあるのは〈おにぎり〉という。日本では室町時代,京の御所の女官たちが紙製のものをつくったのが始まりといわれる。江戸時代には張子や曲物(まげもの)製の胴に小石を入れて,木や竹の柄をつけたもの,あるいは桐の木を円く挽(ひ)いてその中に土の鈴を入れ,木の柄を振ると鈴が鳴るものがあった。《柳樽拾遺》に〈桐の木でしたがらがらを礼者呉れ〉とあるのは,江戸時代,お年玉に扇形の棒様のものを桐箱に入れて配る風習があり,年始客がこの箱を振りがらがらとして子どもに与えた意である。また小板を紐でつないで指で鳴らす手づくり玩具もあり,これら乳幼児向きの音のする玩具は,すべて〈がらがら〉と呼んだらしい。振鼓(ふりつづみ)やでんでん太鼓も,がらがらの一種とされた。明治期にはブリキ製が登場,その多くは柄が笛につくられた。明治後期から大正期にかけてはセルロイド製が現れ,ぜんまい仕掛けのオルゴールの音響をとり入れたものもつくり出されて流行した。第2次大戦後はプラスチック製のものが多くなったが,東北地方などには木製挽物細工の作品が現在も見られ,紙製では名古屋などに伝承的ながらがらが残存している。がらがらは,乳児の感覚器官を育てるという意味ももつ。
執筆者:

小刻みに振り動かすことによって鳴らす体鳴楽器を楽器学ではこの名で総称するが,これは本来ドイツ語のラッセルRasselないし英語のラットルrattleの訳語として用いられたものである。乾燥した匏(ひさご)やマラカヤシの実の中に小石を数個入れ,これに柄をつけて振り鳴らす楽器(マラカス)はアメリカ大陸の先住民(インディアン)の間でひろく用いられているが,これはがらがらの代表的なものである。他に古代エジプトのシストルムsistrumのように金属製の枠に細い金属棒や金属の輪を数個ゆるく通してこれを振り鳴らすもの,さらに日本の鳴子(なるこ)のように木や竹で作りこれに綱をつけて間接的に振り鳴らすものも,この種の体鳴楽器に含められる。一般にがらがらは宗教儀式やそれに由来する歌舞に用いられることが多い。
執筆者:


ガラガラ
Galaxaura fastigiata Decaisne

紅藻ガラガラ科の海藻。体は規則正しく叉(さ)状または星状に分枝し,全形は逆円錐形を呈する。体の太さや高さは環境によってかなり変化するが,多くは直径1.5~2mm,高さ10~15cmである。体は一定の間隔で節があり,節間部は炭酸カルシウムを沈着するので乾くと固くなる。学名は黄色い牛乳(gala=牛乳,auros=黄色)の意で,和名は乾いた体を振るとおもちゃのがらがらのような音がすることに由来する。ポリネシア,マレー諸島,台湾を含む太平洋,インド洋の暖海域に広く分布する。日本では太平洋沿岸は房総半島以南,日本海沿岸は富山湾以南にみられ,タイドプール中または低潮線下に生育する。近縁の種が多く,似た分布を示す種類として,節間部が袋状にふくれるフクロガラガラG.obtusata(Salander) Lamour.や,体が扁平のヒラガラガラG.falcata Kjellm.などがある。
執筆者:


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「がらがら」の意味・わかりやすい解説

がらがら

〔1〕柄(え)付きの丸い胴に小さな球などを入れ、振ると鳴る育児用玩具(がんぐ)。室町時代、京都の御所の女官が紙製のものをつくったのが最初という。その後、ブリキ製、セルロイド製、木製のものなどがつくられ、現在ではプラスチック製が多い。

 対象は乳児なので、(1)握りやすく、しゃぶったり、かんだりしても歯ぐきを傷つけないもの、(2)乳児がじっと見、耳を傾けられるもの、(3)指でまさぐってみたくなるようなもの、などがよいがらがらの条件である。

[山崖俊子]

〔2〕振って鳴らす体鳴楽器。堅い木の実の殻や種、動物の歯や蹄(ひづめ)といった小さな発音体を紐(ひも)や棒に通してまとめたものと、ふくべ(ヒョウタンなど)の果皮や籠(かご)や亀甲(きっこう)などの容器の中に小石のような小さな堅い物を入れたものとがあり、柄(え)をつけられることが多い。振って鳴らすほか、くるぶし、膝(ひざ)、腰などにつけて、踊りのリズムを刻むように用いることもある。先史時代からあったとされ、分布は世界的であるが、分布状況は形により異なる。

[前川陽郁]

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デジタル大辞泉プラス 「がらがら」の解説

ガラガラ(アローラのすがた)

ゲームソフト、アニメの「ポケットモンスター」シリーズに登場するキャラクター。ほねずきポケモン、「ほのお・ゴースト」タイプ、高さ1.0m、重さ34.0kg。特性は「のろわれボディ」「ひらいしん」。「ガラガラ」のリージョンフォーム。俗に「アローラガラガラ」ともいう。

ガラガラ

ゲームソフト、アニメ「ポケットモンスター」シリーズに登場するキャラクター。ほねずきポケモン、「じめん」タイプ、高さ1.0m、重さ45.0kg。特性は「いしあたま」「ひらいしん」、かくれ特性は「カブトアーマー」。進化前は「カラカラ」。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「がらがら」の意味・わかりやすい解説

ガラガラ
Galaxaura fastigiata

紅藻類ウミゾウメン目ガラガラ科の海藻。藻体は平たく叉状に分岐し,高さ 10cm内外,直径 2mmぐらいで,上部に輪状の皺がある。低潮線の岩上に着生し,分布は広い。

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世界大百科事典(旧版)内のがらがらの言及

【石灰藻】より

…藻体に炭酸カルシウム(石灰)を沈着する藻類の総称で,代表的なものに紅藻植物のサンゴモ,ガラガラ,コナハダ類,緑藻植物のサボテングサ,カサノリ類などがある。淡水産の車軸藻植物も少量であるが石灰を沈着し,海および淡水に生育する単細胞性のハプト植物の多くも,細胞の表面にコッコリス(円石)と呼ぶ独特な形の石灰質の鱗片をもつ石灰藻である。…

【おしゃぶり】より

…この年ごろには,口に入れてしゃぶるくせがあり,感覚器官を育てるため,しゃぶって遊ぶように作られているのでこの名がある。がらがらを兼ねているものが多く,手で握って振れるように作ってあるのは〈おにぎり〉という。江戸時代から木製挽物(ひきもの)細工のものがあった。…

【玩具】より


【玩具の起源】
 現世人類がこの地球上に現れたころに,はたして玩具として位置づけられるものがあったかどうかは予測しがたいが,玩具に発展しうるものがすでに存在していたことははっきりしている。現存する最古の玩具は,古代エジプト時代の墳墓から出土しているものが多いが,その中には,人形,動物のミニチュア,舟のミニチュア,ボール,こま,がらがらなどがある。また,現代になっても,近代文明のいきわたっていない民族の間で親しまれている玩具を探ってみると,アメリカ・インディアンの鹿皮のボール,紀元前1500年ぐらいから続いているといわれるメキシカン・ボール,ニューギニアの木の葉を利用して作った帆舟,北アメリカのホピ・インディアンが儀式が終わると子どもに与えるという人形,アフリカのコーサ族のトウモロコシの穂軸で作られた人形などがある。…

※「がらがら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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