グリセオフルビン

化学辞典 第2版 「グリセオフルビン」の解説

グリセオフルビン
グリセオフルビン
griseofulvin

C17H17O6Cl(352.76).抗かび性抗生物質の一つ.かびに属するPenicillium griseofulvumP.janczewskiiなどの菌体および培養液からクロロホルムで抽出される.化学合成もされている.融点222 ℃.+370°(クロロホルム).水に不溶,エタノールアセトンベンゼン酢酸エチルに難溶,DMFに可溶.Botrytis alliiTrychophytonなどの真菌類発育を阻止し,水虫などの白癬(せん)菌症の治療薬として経口的に用いられる.菌体内では酢酸マロン酸から生合成されている.LD50 5000 mg/kg(マウス,経口).[CAS 126-07-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「グリセオフルビン」の意味・わかりやすい解説

グリセオフルビン

抗カビ性抗生物質。数種の糸状菌産出。経口投与すると皮膚角質蓄積が認められ,水虫に著効を呈する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリセオフルビン」の意味・わかりやすい解説

グリセオフルビン
griseofulvin

1939年 A.オックスフォードらによってコオジカビ科のアオカビの一種 Penicillium griseofulvumから分離された抗生物質。白癬菌その他の真菌類の生長する菌糸をゆがめて,発育を阻止する作用がある。数少い内服水虫薬。

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世界大百科事典(旧版)内のグリセオフルビンの言及

【抗生物質】より

…その後,アザロマイシンF(1960),バリオチン(竹内節男,米原弘ら発見,1959),ピロルニトリン(有馬啓ら発見,1965)が得られているが,白癬菌に対する外用に限られる。(1)グリセオフルビン ペニシリン再発見前にイギリスでカビから分離された。内服および外用薬として用いられるが,白癬菌以外の真菌症には無効である。…

※「グリセオフルビン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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