日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレーナー」の意味・わかりやすい解説
グレーナー
ぐれーなー
Wilhelm Groener
(1867―1939)
ドイツの軍人、政治家。軍の鉄道輸送・動員計画の立案・実施に従事し、第一次世界大戦中には、軍需庁長官として総力戦体制の樹立に努め、労働力を動員するため労働組合と接触し、労資紛争に介入した。1918年10月ルーデンドルフの後任として参謀次長となり、同年11月のドイツ革命では社会民主党のエーベルトと協力して革命の急進化を抑え、ワイマール共和国を成立させた。だが、このとき皇帝を見殺しにし、ベルサイユ条約受諾に同意したとして、右翼の反感を買った。1920~1923年に交通相となり、1928~1932年国防相として軍の強化に努め、1931~1932年には内相をも兼任し、ナチ突撃隊(SA(エスアー))の弾圧を試みたが、大統領、軍部の反対にあって失脚。
[吉田輝夫]