ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グロッス」の意味・わかりやすい解説
グロッス
Grosz, George
[没]1959.7.6. ベルリン
ドイツ生れのアメリカ国籍の画家,版画家。ドレスデンの美術学校,ベルリンの工芸学校に学び,短期間パリに滞在。第1次世界大戦に従軍,戦後ドイツの混乱に直面して,暗いユーモアを含む作品を制作。 1918年に始るベルリン・ダダの中心的存在で,鋭い社会風刺の作品を次々に発表。 1920年代中頃には O.ディックス,M.ベックマンらと力強い写実的手法を採用し,新即物主義 (ノイエ・ザハリヒカイト ) の立場に立つ。 32年に亡命してニューヨークに住み,30年代末の一時期,ニューイングランド風景に裸体を配した作品を描いたが,第2次世界大戦勃発とともに再び社会的関心の強い風刺的リアリズムに向った。 38年アメリカ国籍を得,59年ベルリンに帰って3週間後に没した。
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