日本大百科全書(ニッポニカ) 「グロッス」の意味・わかりやすい解説
グロッス
ぐろっす
George Grosz
(1893―1959)
ドイツ生まれのアメリカの画家。ベルリンに生まれ、ドレスデンとベルリンの美術学校に学んだ。早くから風刺雑誌に作品を発表し、鋭い現実批判の目で第一次世界大戦中および戦後の社会状況をデッサン、版画、写真モンタージュなどの手法を駆使して告発する。1917年、ベルリン・ダダに参加して思想的にはマルキシズムに歩み寄り、1925年新即物主義に接近してリアリズムの傾向を強める。1932年、アート・ステューデンツ・リーグに招かれてアメリカに渡り、1938年市民権を取得、晩年までニューヨークで活躍し、ベルリンで死去した。1946年、自伝『小さなイエスと大きなノー』を発表。
[野村太郎]