グロート(読み)ぐろーと(英語表記)George Grote

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グロート」の意味・わかりやすい解説

グロート
Grote, George

[生]1794.11.17. ケント
[没]1871.6.18. ロンドン
イギリスの歴史家。ブレーメン出身の銀行家の家に生れ,16歳で家業を継いだが,仕事の余暇に歴史,古典哲学などを研究し,ホメロス研究家としても知られる。 D.リカード,ミル父子,J.ベンサムらと親交をもち,ロンドン大学の設立に尽力した。 1832~41年ロンドン市選出の下院議員となり,急進的改革派に属し,無記名投票などの議会改革を主張した。引退後著述に専念,『ギリシア史』 History of Greece (12巻,1846~56) を著わす。

グロート
Groth, Klaus

[生]1819.4.24. ホルシュタイン,ハイデ
[没]1899.6.1. キール
ドイツの詩人。初め小学校教師をしながら独学低地ドイツ語の研究に励み,ボン大学より博士号を受け,のちキール大学教授となる。農村抒情を低地ドイツ語でうたい上げた『清泉』 Quickborn (1852) などの詩集がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グロート」の意味・わかりやすい解説

グロート(George Grote)
ぐろーと
George Grote
(1794―1871)

イギリスの実業家、歴史家。リカード、J・S・ミル、ベンサムらと親交があり、1843年まで銀行家として身をたて、その間、ロンドン大学創立に尽力し、パリ訪問から帰国後は議会改革を叫んで代議士に選出される(1832~41)など、文化政治面でも活躍した。以後は大学や大英博物館の理事などを務めるかたわら歴史研究に没頭した。主著『ギリシア史』8巻(1846~56)はギリシア史研究の古典の一つとされる。

[松村 赳]


グロート(Klaus Groth)
ぐろーと
Klaus Groth
(1819―1899)

北ドイツの方言詩人。ホルシュタイン地方のハイデに生まれる。初め就いた仕立職に満足できず、独学で師範学校に入り故郷で教師となる。彼の詩の大部分は、デンマーク支配の難を逃れて渡ったフェーマルン島に滞在中成立した。低地ドイツ語正書法確立にも貢献し、キール大学から教授として招かれる。出世作『青春の泉』(1852、71)はホルシュタイン方言の文学的表現力を実証してみせた詩集である。

[鈴木隆雄]

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