ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケアンズ」の意味・わかりやすい解説
ケアンズ
Cairnes, John Elliott
[没]1875.7.8. ロンドン
イギリスの経済学者。ダブリンのトリニティ・カレッジを法学専攻で卒業後,経済学の研究に入り,1856年同大学経済学教授,また 59年ゴールウェーのクイーンズ・カレッジ経済学法学教授,66年ロンドンのユニバーシティ・カレッジ経済学教授に就任。その経済学理論は,D.リカード,N.シーニアー,J.S.ミルの流れをくむもので需要供給説を軸に展開されており,とりわけ異なる階層間には競争が存在しないことを打出した非競争集団の理論にその特色がある。また経済学は自然科学のような厳密な科学でなければならないこと,その方法は実験が不可能であるから帰納的ではありえず,演繹的であることを主張している。主著『経済学の性格と論理的方法』 The Character and Logical Method of Political Economy (1857) ,『経済学の若干の指導的原理の新展開』 Some Leading Principles of Political Economy Newly Expounded (74) 。
ケアンズ
Cairns
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