コバルトグリーン

デジタル大辞泉 「コバルトグリーン」の意味・読み・例文・類語

コバルト‐グリーン(cobalt green)

酸化コバルト酸化亜鉛から製する緑色顔料。また、その色。絵の具などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「コバルトグリーン」の意味・読み・例文・類語

コバルト‐グリーン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cobalt green ) 酸化コバルトと酸化亜鉛からなる緑色顔料。また、その色。炭酸コバルト(II )と酸化亜鉛、またはこれに炭酸マグネシウムを加え摂氏一二〇〇~一三〇〇度で焼成してつくる。下地の色を覆いかくす力が大きく、安定。絵の具、パステルなどに用いられる。
    1. [初出の実例]「セルリアン‐ブルーをもっと明るくした地色に、濃いコバルト‐グリーンで、木賊(とくさ)を浮紋にした駒縒(こまよ)りお召のやうなものだ」(出典:若いセールスマンの恋(1954)〈舟橋聖一〉一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コバルトグリーン」の意味・わかりやすい解説

コバルトグリーン
こばるとぐりーん
cobalt green

緑色顔料の代表的なもの。1780年リンマンRinmannによりつくられ、リンマングリーンともいう。酸化コバルトCoOと酸化亜鉛ZnOとを配合するか、亜鉛とコバルトの水酸化物を共沈させ、1100~1200℃に加熱して得られる。色調を調節するため、酸化マグネシウムMgOを添加することもある。いずれの場合も、酸化コバルト‐酸化亜鉛(CoZn)O、酸化コバルト‐酸化マグネシウム‐酸化亜鉛(CoMgZn)O系ウルツァイト型固溶体で、代表的な4配位Co2+の吸収を示す。薄い酸やアルカリには不溶、しかし塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム水溶液には溶ける。絵の具、プラスチック着色に用いられる。

大塚 淳]


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色名がわかる辞典 「コバルトグリーン」の解説

コバルトグリーン【cobalt green】

色名一つJISの色彩規格では「明るい」としている。一般に、酸化亜鉛酸化コバルトを加えた顔料の、やや淡い緑色をさす。高温に加熱して作られる。18世紀に顔料や絵の具の色として広まった。現代でもポピュラーな色名で、化粧品宝飾品、寝具、衣料品、キッチン用品、文房具、塗料、ベビーカーなど、幅広い分野で使われている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コバルトグリーン」の意味・わかりやすい解説

コバルト・グリーン
cobalt green

絵具の色名の一つ。酸化コバルト CoOと酸化亜鉛 ZnOから成る緑色顔料。 1780年 S.リンマンによって製法が発明されたことからリンマングリーンともいわれる。

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