緑色顔料の代表的なもの。1780年リンマンRinmannによりつくられ、リンマングリーンともいう。酸化コバルトCoOと酸化亜鉛ZnOとを配合するか、亜鉛とコバルトの水酸化物を共沈させ、1100~1200℃に加熱して得られる。色調を調節するため、酸化マグネシウムMgOを添加することもある。いずれの場合も、酸化コバルト‐酸化亜鉛(CoZn)O、酸化コバルト‐酸化マグネシウム‐酸化亜鉛(CoMgZn)O系ウルツァイト型固溶体で、代表的な4配位Co2+の吸収を示す。薄い酸やアルカリには不溶、しかし塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム水溶液には溶ける。絵の具、プラスチックの着色に用いられる。
[大塚 淳]
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