日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンドロイチン」の意味・わかりやすい解説
コンドロイチン
こんどろいちん
chondroitin sulfate
多糖類の一種。おもに関節軟骨や角膜および皮膚などの結合組織に多く含まれ、結合組織に弾力性をもたせる物質である。正式にはコンドロイチン硫酸という。この物質は加齢に伴って徐々に体内から失われ、結果として関節痛や老眼、皮膚のしわなどさまざまな現象をもたらす。たとえば、関節軟骨が薄くなる、消失するなどの退行変性をもたらし、軟骨破壊による骨どうしの摩擦で、骨軟骨が再増殖して関節が変形する変形性関節症などにより、関節運動が妨げられ関節痛を起こす。同じく、目の角膜をはじめ水晶体や硝子体(しょうしたい)のコンドロイチンが失われることで、角膜による光の屈折、水晶体による焦点あわせなどの機能に変化が生じ、老眼となる。
また、コンドロイチンは、皮膚の表皮と真皮の間にプロテオグリカンとして存在し、皮膚の保湿や弾力をもたせる役割をしているが、コンドロイチンと水分が失われることで、表皮にある皮溝が真皮側に深く入り込み皮膚のしわとなってみられるようになる。このようにコンドロイチンは加齢現象を防止することと密接な関係にある。食物からの摂取が可能で、納豆、オクラ、山芋、ウナギ、フカヒレ、スッポン、カツオ、マグロなどに多く含まれている。また、コンドロイチンを配合した医薬品やサプリメント、化粧品なども販売されている。
[編集部]