サイラス=マーナー(読み)サイラスマーナー(英語表記)Silas Marner

デジタル大辞泉 「サイラス=マーナー」の意味・読み・例文・類語

サイラス‐マーナー(Silas Marner)

ジョージ=エリオット小説。1861年発表。孤独な織工のサイラス=マーナーが、親を亡くした幼児を育てることで、生きることへの希望を取り戻してゆくさまを描く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「サイラス=マーナー」の意味・読み・例文・類語

サイラス‐マーナー

  1. ( 原題 Silas Marner ) 長編小説イギリス女流作家ジョージ=エリオット作。一八六一年発表。主人公サイラスは親友に裏切られ厭世的生活を送るが、幼児エピーへの愛が再び彼の心に人間性を呼びさますという寓話的物語

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイラス=マーナー」の意味・わかりやすい解説

サイラス・マーナー
さいらすまーなー
Silas Marner

イギリスの女流小説家、G・エリオットの中編小説。1861年刊。ラブローの村に1人住むリネン織工サイラス・マーナーは、かつて北部故郷で親友に裏切られて以来、神と人間への信頼を失い、金をためることのみを唯一の喜びとする孤独な男。ある夜この金が何者かによって盗まれ、彼は絶望どん底に落ちるが、偶然迷い込んだ幼児エピーを男手一つで育てるうちに、この幼児への愛を通して人生と自然への愛情を取り戻す。この主題は「純粋で自然な人間関係のもつ救済力」(作者手紙一節)にほかならない。

[川本静子]

『土井治訳『サイラス・マアナー』全2冊(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイラス=マーナー」の意味・わかりやすい解説

サイラス・マーナー
Silas Marner

イギリスの女流作家 G.エリオットの小説。 1861年刊。手織職人サイラス・マーナーは親友の裏切りから無実の罪に問われ,すっかり人間嫌いになって片いなかの村で孤独な生活をおくり,金貨の数がふえるのを唯一の楽しみとする守銭奴になっている。ところが近在の地主道楽息子にこの金を盗まれ,そののち,家に迷い込んできた捨て子の少女エピーを養育することになり,次第に愛に目ざめていく。因果応報の道徳性を強調した厳粛な語り口のなかに,農民の素朴でユーモラスな人情を交えた好中編で,エリオットの代表作の一つとされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサイラス=マーナーの言及

【エリオット】より

…前者は19世紀初頭の農村を舞台とする田園悲劇,後者は作者自身を思わせる若い娘の成長の苦悩を描いている。61年,人間愛の至高性をテーマとする寓意的物語《サイラス・マーナー》を出版,63年にはルネサンス時代のイタリアに取材した唯一の歴史小説《ロモラ》を発表した。 次作《急進主義者フェリックス・ホルト》(1866)のあたりからエリオットの後期の作風が明瞭となる。…

※「サイラス=マーナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android