ブナ,クルミ,ハンノキ,トネリコなど耐水性のある堅い木材をくり抜いて作られた木靴。ローマ時代から知られており,オランダ,フランス,ベルギーなどの農民や工場労働者などに愛用されてきた。普通素足で履くが,内側にわらや布を敷くこともある。男女,子どもを問わず用いられ,大きさは異なるが,つま先部がとがって上方にやや反った形は共通する。また足の甲が接する履き口の部分だけに,革を打ちつけたものもある。堅牢であるところから,水気の多いところ,田畑などでは実用に適している。さらにサボの底に2本あるいは3本の支えの足をもっているものが,アフガニスタン,韓国などに見られる。これもまた,一材からのくり抜きで作られるが,下駄の一種とも考えられる。なお,フランス語のサボタージュは日本では怠業の意に用いられるが,本来労働争議の際,サボで工場の床を踏みならしたり,機械や製品を故意に打ちこわしたりしたことに由来。
執筆者:近藤 四郎
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日本ではヨーロッパの木靴をいう。ヤナギ、ブナ、クルミなど、耐水性のある堅い木の生木を十分に枯らした木塊をくりぬいてつくる。古代から用いられていたが、現代でもフランスのブルターニュ地方や、オランダなどの農民に履かれており、男女とも同型である。語源はアラビア語のzaboto。本来フランスの木靴をサボ、オランダの木靴はクロンプklompという。甲部に粗い皮をつけた厚い木底の履き物もサボとよぶ。サボは靴の原型の一つと考えられるが、起源は明らかでない。似たものは日本や朝鮮にもみられる。
[田中俊子]
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