木沓とも書かれる。広義には木製のはきもの全般を指すが,狭義には桐材などをくり抜き,甲の部分をおおうように作った浅いこしらえのはきもの(浅沓)。木履はのちにはボクリと発音し下駄の類も指すようになった。平城京址から杉の一木作りですりへった歯のついた子ども用木ぐつが出土しており,朝鮮半島のナマクシン(木鞋)に似ているところから,大陸より伝わったものと思われる。奈良時代の《正倉院文書》によると,経を写す経師(きようじ)や文字の誤りを見る校生(こうしよう),書画を表具にする装潢(そうこう)に支給されているので,冬の板の間や土間での仕事に履いたものであろう。平安時代中ごろから文官の正服として襪(しとうず)とともに用いられた。のちには神官や僧侶が大祭などで履くようになった。木ぐつはフランス,オランダ,ベルギーなどヨーロッパ諸国でも広く行われ,サボの名で知られる。
執筆者:潮田 鉄雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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…広義には木製のはきもの全般を指すが,狭義には桐材などをくり抜き,甲の部分をおおうように作った浅いこしらえのはきもの(浅沓)。木履はのちにはボクリと発音し下駄の類も指すようになった。平城京址から杉の一木作りですりへった歯のついた子ども用木ぐつが出土しており,朝鮮半島のナマクシン(木鞋)に似ているところから,大陸より伝わったものと思われる。…
… 下駄は古くはアシダと呼ばれ,足下から名付けられたことが《和名抄》によってわかる。また奈良時代の《東寺写経所解》(760)には木沓(きぐつ)と木履(ぼくり)が併記されているが,出土物には木を靴の形にくり抜いたものと,いわゆる今日の下駄の両方があることから,ボクリと呼ばれていたことがわかる。ゲタは下踏,下駄と書かれて江戸時代の文献から見られる新しい言葉であるが,橋桁や湯げた(腰掛台)など平板に2本の足をつけたものを古くよりケタまたはゲタと呼んできたことから,近世になってアシダやボクリもゲタと呼ぶようになった。…
※「木履」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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