サラワクイルカ(英語表記)Lagenodelphis hosei; Fraser's dolphin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サラワクイルカ」の意味・わかりやすい解説

サラワクイルカ
Lagenodelphis hosei; Fraser's dolphin

クジラ目ハクジラ亜目マイルカサラワクイルカ属。体長は約 2.7mに達する。体重は約 210kgをこえる。出生体長は約 1m以下。背部は黒色,腹部白色,体側は灰色である。幅広の黒灰色の帯が,前頭部と嘴 (くちばし) の境から眼を通って肛門まで達する。また胸鰭 (むなびれ) つけ根から下顎口角にかけて太い黒色帯がある。体型は流線形。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。嘴は短く小さいが,前頭部との境は明瞭。尾柄部は急に細くなり,上下のキール (稜状の隆起) は著しい。背鰭は体の中央に位置し,小さいが高く,先端はとがる。上下顎骨に先端がとがった円錐歯が左右 38~44対並ぶ。 100~1000頭の大群で行動する。熱帯ならびに亜熱帯を生息域とするハシナガイルカハナゴンドウカズハゴンドウなどと混群をなす。中層性の魚類やスルメイカ類および甲殻類を捕食する。全海洋の熱帯大洋域に生息する。大洋域に分布が限定されるが,深海域が沿岸に接近しているところでは,海岸近くにも出現する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サラワクイルカ」の意味・わかりやすい解説

サラワクイルカ
さらわくいるか
Fraser's dolphin
[学] Lagenodelphis hosei

哺乳(ほにゅう)綱クジラ目マイルカ科に属するハクジラ。1895年にサラワクで捕獲されイギリスの大英博物館に保存されていた標本を調べて1956年に学名がつけられた。成体の体長約2.5メートルの小形種で、マイルカに似た体形であるが、吻(ふん)がかなり短く、胸びれ背びれが小さい。背側の黒青色と胸腹部の白色の境界は比較的判然とし、胸びれから口角(こうかく)へかけて黒帯がある。大群をつくり、世界の熱帯海域の外洋に分布する。

西脇昌治

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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「サラワクイルカ」の解説

サラワクイルカ
学名:Lagenodelphis hosei

種名 / サラワクイルカ
科名 / マイルカ科
日本にいる動物 / ◎
解説 / 顔から肛門にかけて1本の黒い帯があります。数百から数千頭の大群をつくります。

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