シェルター(読み)しぇるたー(英語表記)shelter

翻訳|shelter

共同通信ニュース用語解説 「シェルター」の解説

シェルター

ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者が一時的に配偶者と離れて安全に生活するための専用施設で「一時保護所」ともいう。各都道府県が設置している「婦人相談所」(4月から女性相談支援センターに名称変更)の一時保護所と、婦人相談所から委託された民間の施設があり、相談への対応なども行う。婦人相談所では男性の一時保護は行っていない。中長期的な支援をする民間施設をシェルターと呼ぶこともある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェルター」の意味・わかりやすい解説

シェルター
しぇるたー
shelter

避難所のこと。一般に核爆発に対する防護機能をもつ対核シェルターを意味する。核攻撃に対する消極的防衛の手段として重視されている。シェルターのおもなものは放射性フォールアウト(降下物)から防護するためのフォールアウト・シェルターである。フォールアウトは、核爆発の際、核分裂生成物や誘導放射性物質を含む塵(ちり)が大気中に舞い上がり、爆発直後ないし大気中を浮遊したのち降下してくるもので、各種の放射線を出すが、放射線は時間の経過とともに減少するので、この間の防護を図ろうというのがフォールアウト・シェルターである。空気浄化装置と生存に必要な物資、設備を整備しておく必要がある。

 核攻撃後2週間たてば放射能が1000分の1に減少するので、この間の避難を確保することが目標とされているが、建設費が高く、富裕な一部の者だけが生き残れるにすぎない。しかも2週間以後の生存は保障できない。また爆心地近くではシェルターそのものが破壊されてしまう。

 核爆発による爆風熱線、放射線からの防護を目的とするのはブラスト(爆風)・シェルターである。これは堅固な地下構造物であることを要し、重要な軍事施設や政府中枢機関用のものが建設されているにすぎないが、どれほど堅固であっても反復攻撃に耐えられない。核被害から身を守る方法は、核戦争を防ぎ、核兵器をなくす以外にないのである。

藤井治夫

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